建物にはどんな荷重がかかるの?
建物にはさまざまな力が加わりますが、基本的には鉛直荷重と水平力の2つに分けられます。
鉛直荷重には、固定荷重、積載荷重、積雪荷重があり、水平力には、地震による地震力と風の力による風圧力があります。
このほかに、建物周囲の地盤や地下水によって基礎にかかる土圧や水圧、部材が寒暖によって収縮・膨張することで発生する温度応力、人が室内で飛び跳ねたときなどに発生する衝撃荷重、工場などでは、クレーンなどの設備機器が移動するたびに起こる振動による繰返荷重も考慮して構造設計しなければならなりません。
せん断力ってなに?曲げモーメントってなに?そもそも応力って…なに??
部材に荷重(外力)が加わると、その外力につり合う力が部材内部に生じます。この力を応力と呼びます。外力の作用の仕方によって、応力は「軸力(N)」「曲げモーメント(M)」「せん断力(Q)」の3つに分類することができます。
軸力
軸力とは、部材の軸方向に作用する力のことで、引張り力と圧縮力の2つがあります。
引張り力は材を引き伸ばそうとしたとき、圧縮力は材を押しつぶそうとしたとき、それぞれ部材内部に生じる力です。この軸力は部材断面に均等に作用します。
曲げモーメント
曲げモーメントは、部材を曲げようとする力のこと。曲げモーメントは、部材断面で均等に生じず、凹状に変形している側では圧縮力が、凸状に変形している側では引張り力が生じています。圧縮力と引張り力の境界は中立軸と呼ぶ。
せん断力
軸力や曲げモーメントと比較して、理解しづらいのがせん断力です。せん断力は、材を軸方向と直交方向にずらす(切断する)際に発生する力。
せん断力を利用した身近なものがハサミです。ハサミは2枚の刃で紙を上下にずらして切断しますが、このとき紙に生じている力がせん断力です。せん断力が生じると、部材は平行四辺形に変形します。
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