高性能電子式集塵フィルタ「電子式集塵フィルタ付吸気ボックス FB50JB」を販売するトルネックスは、2025年4月に登場したGX志向型住宅に関連するオンラインセミナー「GX住宅の差別化戦略セミナー 全館空調+全館空気清浄/北海道の家づくりから学ぶ」を公開しています。東京大学名誉教授 坂本雄三氏、日本大学理工学部建築学科 井口雅登氏、株式会社リッド相談役 牧克典氏によるリレートーク。それぞれの立場から、戸建住宅の省エネについて解説しています。
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<セミナータイトル>
GX住宅の差別化戦略セミナー
全館空調+全館空気清浄/北海道の家づくりから学ぶ
主催=トルネックス
講演① 日本の省エネ住宅:基準と支援「寒住法」から「GX」まで
東京大学名誉教授 坂本 雄三氏
講演② 断熱気密性能の向上と空調
日本大学理工学部建築学科 准教授 井口 雅登氏
講演③ 北海道における高断熱住宅の実践
株式会社リッド 相談役 牧 克典氏
特別コーナー 講師3名によるトークセッション
戸建住宅では外皮性能の強化が重要
東京大学名誉教授 坂本雄三
建築の省エネは、半世紀の時間をかけて進化してきました。それは、断熱・気密・防露という3つの要素を組み合わせて初めて成り立つものです。
以前は、その考えがうまく浸透しておらず、内部結露の被害も散見されましたが、現在では改善が進んでいます。加えて、日本が世界に誇るエコキュートをはじめとする設備機器の進化も目覚ましいものがあります。一方、省エネ基準は、欧米に比べて後れを取っていましたが、2022年に上位等級(断熱等性能等級5・6・7)が制定され、特に等級7は世界でも最高水準に達しています。
こうしたなかで、2025年4月にはGX志向型住宅が登場したわけですが、建物の規模が小さい住宅(戸建住宅)は、非住宅とは異なり、建物内部全体が外気の影響を受けやすいという特徴があります。したがって、設備ありきではなく、まずは断熱性能をしっかりと高めたうえで、設備を組み合わせていくという考えに立つことが重要であると考えています。
戸建住宅では外皮性能の強化が重要
日本大学理工学部建築学科 井口雅登
坂本先生が述べられた通り、住宅において、エネルギー負荷の少ない住環境を実現するには、まず、断熱性能を高めることが重要であると考えています。実際に、高効率の設備機器を導入するよりも、断熱性能を高めるほうが、より一次エネルギー消費量を削減できることが判明しています。
とりわけ、断熱性能を高めると、暖房エネルギーが顕著に少なくなります。一方、冷房エネルギーについては「室内の熱が逃げにくくなる」という現象が生じるので、場合によっては、冷房エネルギーが増えるケースもあります。その場合は、日射遮蔽(軒・庇、外付けブラインドなど)を行い、日射熱が室内に侵入しないようにする必要があるでしょう。
加えて、等級6クラスの断熱性能になると、部屋間や上下間での温度差が少なくなります。その場合は、全館空調を導入するほうが、一次エネルギー消費量をより効果的に削減できると考えています。
北海道仕様で等級6を無理なく実現
株式会社リッド相談役 牧克典
私は北海道を拠点に戸建住宅の事業を展開しているのですが、近年では木造住宅における断熱の手法が変わっています。外壁では、高性能グラスウールによる充填断熱と付加断熱を併用していたのですが、どうしても熱橋の問題が解消されませんでした。
加えて、外壁も分厚くなるので、サッシの納まりには頭を悩ませていたものです。そこで最近では、高性能グラスウールよりも断熱性能が高い(熱伝導率が低い)、ボード系断熱材による外張り断熱に移行しています。外壁をふかすことなく、高い断熱性能が得られます。
一方、屋根(天井)について、小屋裏を室内とみなして屋根断熱を行うと、こちらも断熱層を分厚くしなければならないので、基本的には天井断熱(繊維系断熱材吹き込み)を行うことにしています。こうした知見を用いて、近年では温暖地で木造戸建住宅を計画するケースも増えています。北海道の技術が全国各地に広まれば、等級6クラスの住宅がさらに増えるでしょう。
動画の詳細な内容は、こちらでご視聴いただけます。お手すきの際に、ぜひ、ご視聴いただき、GX志向型住宅をはじめとする省エネ住宅の設計・施工・営業にお役立てください。