「国宝の、どこがすごい?」がマルわかり
「国宝」と聞くと、なにやらスゴそうな気はします。
では実際、どこがどうスゴいのでしょう?
(中学の歴史で習ったような……おばあちゃんに教えてもらったような……)
安心してください。
本書の「ここがすごい」マークを見れば、それがひと目でわかります。
![](https://online.xknowledge.co.jp/system/wp-content/uploads/2024/06/eb37e08e05964eeee506a46d0d4e8f56-584x600.jpg)
『国宝の解剖図鑑』P22-23 玉虫厨子より
たとえば、法隆寺(奈良)にある玉虫厨子。
マークが付いている箇所のひとつは、装飾についてです。
本物の玉虫の翅を敷き詰めていて、それが今も、2,500枚以上残ってるんですって。
眺めるだけじゃわからない絵画も、見どころ、スゴさがスルスルわかる
わからないと言えば、絵画です。
「考えるな、感じろ」と言われても、
(技術的に)絵が上手いなぁ、以上のことを、
初心者が感じるのはなかなか難しい。
しかし!
国宝を前に、それはもったいないのです。
事前にいくつかの情報を知っておくだけで
「あら、本当にこりゃスゴい」と、描き手の妙がわかります。
同時代あるいは同作者の作品と比べても、
国宝はやっぱりスゴい理由を、ぜひ本書でお確かめください。
![](https://online.xknowledge.co.jp/system/wp-content/uploads/2024/06/a5120a4953944e16c55c80c0aa02939e-397x600.jpg)
『国宝の解剖図鑑』P72-73彦根屏風より
実際は見られないところまで。図解だからおもしろい。
さて。
見どころたっぷりの国宝は、もちろん写真で紹介することもできます。
それをあえて(作るのはとっても面倒くさい)図解にしたのは、
写真では撮れないアングルで、イラストにしかできない表現でお伝えしたかったから。
![](https://online.xknowledge.co.jp/system/wp-content/uploads/2024/06/ca05c01196b1a2fae23186fac1905d09-559x600.jpg)
『国宝の解剖図鑑』P100-101 阿弥陀三尊像より
たとえば、浄土寺浄土堂(兵庫)の阿弥陀三尊像。
堂を真横から切っています。
すると、
なぜ像をここに置きたかったのか、
より神々しく見せるためにどんな工夫がされたのかなど
この像に込めた当時の人々の想いがよくわかります。
本物を見に行くときは、連れて行こう。
本書を読んで、本物が見たくなったらぜひ現地まで足を運んでみてください。
大きさ、重量感、色や質感の美しさに、きっと圧倒されるでしょう。
そしてできれば、現地でもこの本を開いてみてください。
ただ眺めるだけでは気づけない、隅々に隠された見どころを本書とともに追うことで、
何度も感動できるはずです。
![](https://online.xknowledge.co.jp/system/wp-content/uploads/2024/06/5668fe441d3c5371d4db42ef90f7adce-600x577.jpg)
『国宝の解剖図鑑』P90-91 廬舎那仏坐像より
『国宝の解剖図鑑』
定価 1,600円+税
著者 佐藤晃子
ページ数 160
判型 A5判
著者情報
佐藤 晃子(さとう・あきこ)
美術ライター。日本、西洋の絵画をやさしく紹介する書籍を多数執筆する。明治学院大学文学部芸術学科卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美術史専攻)。