宮部みゆき氏推薦! 誰もがわかりやすい国宝100件の見方入門書

一度は見たことのある仏像、建築、日本画も、見方がわかると100倍楽しい!『国宝の解剖図鑑』は、国宝約100件の、スゴさ・見どころ・知られざる人間模様までを、タテ・ヨコ・ナナメから大解剖した図解本です。

「国宝の、どこがすごい?」がマルわかり

「国宝」と聞くと、なにやらスゴそうな気はします。
では実際、どこがどうスゴいのでしょう? 
(中学の歴史で習ったような……おばあちゃんに教えてもらったような……)

安心してください。
本書の「ここがすごい」マークを見れば、それがひと目でわかります。

『国宝の解剖図鑑』P22-23 玉虫厨子より

たとえば、法隆寺(奈良)にある玉虫厨子。
マークが付いている箇所のひとつは、装飾についてです。
本物の玉虫の翅を敷き詰めていて、それが今も、2,500枚以上残ってるんですって。

眺めるだけじゃわからない絵画も、見どころ、スゴさがスルスルわかる

わからないと言えば、絵画です。
「考えるな、感じろ」と言われても、
(技術的に)絵が上手いなぁ、以上のことを、
初心者が感じるのはなかなか難しい。

しかし!
国宝を前に、それはもったいないのです。
事前にいくつかの情報を知っておくだけで
「あら、本当にこりゃスゴい」と、描き手の妙がわかります。
同時代あるいは同作者の作品と比べても、
国宝はやっぱりスゴい理由を、ぜひ本書でお確かめください。

『国宝の解剖図鑑』P72-73彦根屏風より

実際は見られないところまで。図解だからおもしろい。

さて。
見どころたっぷりの国宝は、もちろん写真で紹介することもできます。
それをあえて(作るのはとっても面倒くさい)図解にしたのは、
写真では撮れないアングルで、イラストにしかできない表現でお伝えしたかったから。

『国宝の解剖図鑑』P100-101 阿弥陀三尊像より

たとえば、浄土寺浄土堂(兵庫)の阿弥陀三尊像。
堂を真横から切っています。
すると、
なぜ像をここに置きたかったのか、
より神々しく見せるためにどんな工夫がされたのかなど
この像に込めた当時の人々の想いがよくわかります。

本物を見に行くときは、連れて行こう。

本書を読んで、本物が見たくなったらぜひ現地まで足を運んでみてください。
大きさ、重量感、色や質感の美しさに、きっと圧倒されるでしょう。
そしてできれば、現地でもこの本を開いてみてください。
ただ眺めるだけでは気づけない、隅々に隠された見どころを本書とともに追うことで、
何度も感動できるはずです。

『国宝の解剖図鑑』P90-91 廬舎那仏坐像より

『国宝の解剖図鑑』
定価 1,600円+税
著者 佐藤晃子
ページ数 160
判型 A5判

著者情報

佐藤 晃子(さとう・あきこ)
美術ライター。日本、西洋の絵画をやさしく紹介する書籍を多数執筆する。明治学院大学文学部芸術学科卒業。学習院大学大学院人文科学研究科博士前期課程修了(美術史専攻)。