大都会にそびえ立つ三角ビル「新宿住友ビル」
日本初の200mを超えるビルとして生まれて半世紀。平面の基本として選ばれたのは、通常の四角形ではなく、三角形。ビルの中央部分を三角形にくり抜き、まわりにエレベータや階段、トイレなどを配置しました。その外側がオフィスなどのスペースです。エレベータを降りると、各階の廊下が三角形の吹き抜けに面していて、光や天候の変化が感じられます。室内に入れば、この16年後に完成した東京都庁舎がハンサムな斜め顔で見えてきたり、今も意外に遠くまで視線が通ったり。全体の形が健康的に機能し続けています。単なる装いから変わったデザインにしない、モダン建築の超高層ビルです。
三角形の外部空間を内側に抱えた独特のビル。4階床の高さに造形作家の多田美波がデザインしたガラスの天井がある。
旧淀橋浄水場の跡地に建てられた。
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『東京レトロ建築さんぽ』
定価 1,800円+税
著者 倉方俊輔/写真 下村しのぶ
ページ数 200
判型 A5判
発行年月 2022/10
ISBN 978-476783069-8
『神戸・大阪・京都レトロ建築さんぽ』
定価 1,800円+税
著者 倉方俊輔/写真 下村しのぶ
ページ数 207
判型 A5判
発行年月 2019/5
ISBN 978-476782621-9
『東京モダン建築さんぽ』
定価 1,800円+税
著者 倉方俊輔/写真 下村しのぶ
ページ数 224
判型 A5判
発行年月 2024/5
ISBN 978-476783295-1
【著者】
倉方俊輔 Shunsuke Kurakata
東京都生まれ。大阪公立大学教授。建築史の研究や批評に加え、「東京建築祭」実行委員長、「イケフェス大阪」「京都モダン建築祭」実行委員を務めるなど、建築と社会を近づけるべく活動中。『東京レトロ建築さんぽ』『東京建築ガイドマップ』(以上、共著・小社刊) 、『東京建築 みる・あるく・かたる』(共著・京阪神エルマガジン社)など著書多数。
下村しのぶ Shinobu Shimomura
北海道生まれ。写真家。ポートレート、雑貨や料理、そしてビルまで、雑誌、書籍、広告等で幅広く活躍中。写真展も定期的に開催。著書に『東京レトロ建築さんぽ(』共著・小社刊)、『おばあちゃん猫との静かな日々』(宝島社)がある。好きなモダン建築はパレスサイドビルディングと東京日仏学院。