デザインの第一歩は情報を整理することから!
文字で情報を伝えるプレゼン資料やポスターの場合、まずは情報を役割ごとに整理していくことが大切です。「タイトル」「サブコピー」「アイキャッチ」「本文」「告知情報」など、目にする順番、読み手の気持ちを動かす情報、正確に伝えたい情報を整理して、正しい文字の大きさや配置を決めていきましょう。
感情を揺り動かす「色」の力をうまく利用しよう
色は文字以外のメッセージを伝達する力があります。季節、歴史、社会背景などさまざまなものに結び付いて記憶されるため、人によって感じ方も異なり、同じ文字でも背景の色が違うだけで、印象がかなり異なります。では、色をどう使いこなせばよいのでしょうか? まずは「色見本帳」で色を確認すること。また、面積によって色の感じ方も変わるので要注意。同じ色でも、色の面積が少ないと本来の色よりも印象が薄く、読みにくくなってしまうことも。小さな文字や細い線への色使いは特に注意が必要です。
なお、モニターと印刷物では混色の方法が異なるため、色の見え方が異なることも頭に入れておくとよいでしょう。テレビやパソコンのモニターは「RGB」という組み合わせで、光の三原色である赤(R)、緑(G)、青(B)で構成されています。一方、印刷物では「CMYK」という組み合わせで、色の三原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)とブラック(K)のインキを使って表現しているので、画面上で見ていた色と、プリンターで出力した色が違って見えるのも当然なのです。
写真を生かすも殺すもデザイン次第!
視覚で情報を伝える「写真」はさまざまな資料や媒体でよく使われますが、写真のレイアウトやトリミングを丁寧に行わないと、せっかくの写真の良さを殺してしまうこともありえます。特に人物写真は基本ルールをきっちりおさえて、意図や魅力が的確に伝わるデザインを心がけましょう。
「画像解像度(dpi)」は足りていますか?
モニター上ではきれいに見えていても、印刷してみると画像が粗く見えることがあります。これは「解像度」、つまり写真を構成している小さな点(ドット、ピクセル)の密度が足りないことが原因です。「dpi」(1インチにどれだけのドットが含まれているか)という単位を確認し、適した数値の画像を選択しましょう。印刷物に使用する画像は、「実寸で350dpi」が基本です。
【目次】
Introduction デザインをもっと身近に
Chapter1 文字と書体の基本
Chapter2 文字組みの基本
Chapter3 色の使い方
Chapter4 写真とのつき合い方
Chapter5 イラストの使い方
Chapter6 レイアウトの組み方
Chapter7 ダイアグラム、インフォグラフィック
Chapter8 紙と印刷の基礎知識
PRINT DIY 自分で印刷してみる1-世界を魅了したリソグラフ
自分で印刷してみる2-活版印刷の魅力/製本や箱の制作はプロに任せるという選択も
Appendix これだけは覚えておきたい用語解説
【著者プロフィール】
細山田デザイン事務所
東京・渋谷区富ヶ谷にあるデザイン事務所。料理やライフスタイルの本、児童書から専門書まで様々な書籍や雑誌を中心にデザインしている。2022年現在担当している雑誌は、『dancyu』(プレジデント社)、『GOETHE』(幻冬舎)など多数。著書に『感覚よりも段取り力が大事! 一生役立つ「伝わる」デザインの考え方』(ナツメ社)がある。活版とリソグラフのスタジオ『Letterpress Letters』も運営している。
[これまでに手掛けた雑誌]
relax(マガジンハウス)/ POPEYE(マガジンハウス)/ BOAO(マガジンハウス)/ウフ.(マガジンハウス)/ Dish(トライベッカ)/ Arne(イオグラフィック)/大人のおしゃれ手帖(宝島社)/月刊J-novel(実業之日本社)/ SEVEN(朝日新聞社)/山と溪谷(山と溪谷社)/ web creators(インプレス)/ロハス・メディカル(ロハスメディア)/オリーブ倶楽部(DHC)/淡青(東京大学)/ ESSE(扶桑社)/こどもちゃれんじ(ベネッセコーポレーション)/おかずのクッキング(テレビ朝日)/ bizmom(ベネッセコーポレーション)/都心に住む by SUUMO(リクルートホールディングス)/看護展望(メヂカルフレンド社)/ステージ(社会福祉法人 全日本手をつなぐ育成会)/ edu(小学館)/世界の博物館(朝日新聞出版社)/明日の友(婦人の友社)/サインズ オブ ザ タイムズ(福音社)/全人(玉川大学出版部)/ケアマネージャー(中央法規出版)/ PRESIDENT WOMAN(プレジデント社)/ WATCHNAVI(ワン・パブリッシング)/ Newton(ニュートンプレス)/イタリア好き(ピー・エス・エス・ジー)