感性を磨く!大阪で行くべき民藝スポット4選

うつわ、ガラス、布、かご、木工……。東北から九州にかけて民藝運動がさかんな場所は各地にあります。民藝の歴史や手仕事を学びながら、訪れてみたい素敵な民藝館・民藝店に出会える一冊です。

【大阪日本民芸館】大阪万博の遺産。民藝運動の西の拠点


大阪はさほど民藝運動がさかんな土地とはいえませんでした。その潮目が変わったのが、70年に開催された「日本万国博覧会(大阪万博)」です。日本民藝館は、庶民の暮らしのなかで培われた民藝の美を広く海外に知ってもらうことを目的に出展。そして、会場となった建物はそのまま、翌年、民藝運動の西の拠点として引き継がれたのです。

【DATA】
オオサカニホンミンゲイカン
大阪府吹田市千里万博公園10-5
tel|06-6877-1971
open|10:00~17:00(入館は16:30まで)/水曜、年末年始、展示替え期間 ※夏期・冬期の休館あり

 

【国立民族学博物館】民藝を深く理解するために訪れてほしい博物館

財界人であり、民俗学者としても知られた渋沢敬三が呼称した「民具」。民具とは、民衆が昔から日常で使ってきた道具の総称ですが、そうした下手物のなかの美しいものに光をあてたのが、柳宗悦の「民藝」の思想といえるでしょう。つまり、民藝は民具の一部なのです。

【DATA】
コクリツミンゾクハクブツカン
大阪府吹田市千里万博公園10-1
Tel|06-6876-2151
Open|10:00~17:00(入館は16:30まで)/水曜(祝日の場合は開館し翌平日休館)、年末年始

 

【リーチバー】民藝同人の美の結晶。不変という価値を持つバー

生粋の大阪人である山本爲三郎は、アサヒビールの社長を務めるだけでなく、大阪が世界に誇れるホテルの開業に心血を注ぎました。そうして、現在の「リーガロイヤルホテル」が誕生し、1965年、メインバーとして「リーチバー」がオープンします。構想については、山本と柳宗悦とのあいだで話し合われ、そのうえでバーナード・リーチに託されました。

【DATA】
ーチバー
大阪府大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル(大阪
tel|06-6441-0983
open|11:00~24:00(ラストオーダー 23:45)/定休日なし

【喫茶美術館】民藝と美術と文学とコーヒーが香る文化サロン


下町のイメージが強い東大阪に、コーヒーを片手に、民藝や美術を鑑賞できる「喫茶美術館」がオープンしたのは、1988年のこと。現店主の丁章さんの両親が蒐集していた、縄文象嵌の技法を確立し、後に人間国宝に認定される陶芸家・島岡達三の作品を展示することが目的でした。

【DATA】
キッサビジュツカン
大阪府東大阪市宝持1-2-18 和寧文化社
tel|06-6725-0430
Open|平日 14 :00~18:00、土日祝 12:00~18:00 水曜(祝日の場合は営業し翌平日休み) ※臨時休業あり

 

 

『にっぽんの美しい民藝』

定価1,600円+税
著者名萩原健太郎
ページ数160
A5判

著者プロフィール

萩原健太郎

ライター。フォトグラファー。日本文藝家協会会員。1972年生まれ。大阪府出身。関西学院大学卒業。株式会社アクタス勤務、デンマーク留学などを経て2007年独立。現在は東京と大阪を拠点に、デザイン、北欧、民藝などの周辺の執筆および講演を中心に活動。著書に『民藝の教科書①~④』(グラフィック社)、『伝統こけしの本』『ストーリーのある50の名作椅子案内』(スペースシャワーネットワーク)、『社会派化粧品』(キラジェンヌ)、『北欧の絶景を旅する アイスランド』『フィンランドを知るためのキーワード A toZ』(ネコ・パブリッシング)、『北欧とコーヒー』(青幻舎)、『北欧の日用品』(エクスナレッジ)など。

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