“鉄道林”の集成材や三層パネルを活用
「東日本旅客鉄道 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス」(2022年5月使用開始)は、これからの働き方の道しるべとなるオフィスの1つです。
「オフィスが新しくなることでさまざまなアクティビティが生まれ、これまで内向き志向だった社内の雰囲気も、異業種との交流・連携を重ねるなかで、外に開かれた〝外向き志向〞が自然と根づいてきました。教育機関や近隣地域との連携・協業も盛んに行われています。就職活動を行う学生の方々にもオフィス紹介する機会も増え、〝社会とつながる企業〞として好感度の向上を実感しています」(駅まちづくりユニット 建築戦略[建築企画]佐々木暁生氏)。
こうした変化の象徴となったのが〝鉄道林〞の活用です。長年にわたり風雪から鉄道を守り続けてきた木々(主にスギ)は、節が多く曲がっているため、製品活用が難しく、近年は燃料利用が主でした。しかし今回、内田洋行の「タニチシステム」[※]を導入することで、こうした材にも新たな活用方法が見出されました。
※ 内田洋行 谷知大輔氏による木材活用マネジメント。木材流通システムの最適化を通じて地場産業の活性化や人と人との絆の再構築を目指す取り組み
虫食いや抜け節といった一見難点とされる部分を丁寧に見極めて、集成材や三層パネル(CLT:Cross Laminated Timber)として加工。ビルのなかに〝木造〞の空間を手軽に設けられる「WooDINFILL」や家具などに採用した。東日本旅客鉄道のトッププライオリティである〝究極の安全〞を可視化し、温かみのある雰囲気で、誰もが外向き志向で業務に向き合える設えとしました。