【PR】ZEB Ready認証取得ー木の温かみに溢れる エコな学校が北海道に誕生

北海道中富良野町で2026年4月に開校する義務教育学校「ラベンダーの杜中富良野町立 なかふらの学園」は、北海道の義務教育段階の学校で初めてZEB Ready認証を取得した学校。断熱性能の向上や創エネ・高効率設備の導入に加えて、継続してエネルギー環境制御を効果的に行う「中央監視システム」(内田洋行)が採用されています。学校林をはじめ北海道産材を積極的に活用した建築や隣接した町立図書館との連携にも注目です。

ZEB水準の省エネと道産材による木質化を実現

北海道の義務教育段階の学校で初めてZEBReady認証[※1]を取得したラベンダーの杜中富良野町立なかふらの学園は、一次エネルギー消費量を基準値より60%以上も削減。BEI(Building Energy Index)は0・75を達成しています。建物の外皮性能向上に加え、省エネ性に優れた設備機器の採用と、太陽光発電や地中熱利用によって快適な教育環境となっています。

 

建物正面はオーバーハングしており、多目的スペースとして使用される。外壁を斜めの大開口部として、中富良野の雄大な自然を眺めながら、子どもたちの交流が図れるようにした

 

※1 ZEBの実現を目指す先進的建築物として、外皮の高断熱化および高効率な省エネ設備を備えた建築物

 

こうした建築のポテンシャルを最大限に引き出しているのが「中央監視システム」(内田洋行)です。設備を一元管理しながら、スマートフォンで遠隔操作もできます。

 

エネルギー使用状況などを含めた建物の利用状況はスマートフォンでも操作が可能な「中央監視システム」によって管理され[上]、その状況はリアルタイムでタブレットやサイネージに表示することが可能。この画面では、太陽光発電(壁面)と電力使用量(空調や照明など)が示されており、子どもたちが省エネ・創エネに関して体験学習できるツールにもなっている[下]

 

「教職員の負担軽減のほか、温熱環境やエネルギーの使用状況をリアルタイムでタブレットやサイネージ上で可視化できるので、教育効果も期待できます。さらに、環境省の補助金を利用しているため年に1回、事業報告書の提出が義務付けられているのですが、『中央監視システム』を用いれば報告書作成の手間も省けます」(中富良野町 企画課 参事 建築景観係長 髙橋純氏)。

一方、北海道産材を用いて木質化された設えも建築の大きな特徴。「木材の心地よさや地域循環型経済の大切さについて、自発的にかつ肌感覚で学んでもらいたいです」(中富良野町教育委員会 教育課課長補佐 三谷和生氏)[※2]

 

カラマツJAS集成材を梁として格子状に組み、21mスパンの大空間としたプレイコート。中央部には梁間に天窓を組み込んでおり、視線は自然と上方に誘わ れ、温かみのある木に包まれている感覚が得られる。ボールがぶつかっても窓を保護する防球ネットは、教職員のスマートフォンで開閉を制御できる

 

「子どもたちが主体的に、建物の〝使い方〞や〝過ごし方〞を見つけてくれたら、とてもうれしいですね」(髙橋氏)。「なかふらの学園」の実り豊かな将来に期待したい。

 

※2  図書館には町立図書館と共通のシステムを導入し、蔵書の相互利用が可能に。ICタグでセルフ貸出や蔵書点検の効率化も図る。子どもたちがふと気になった一冊に、より気軽に手を伸ばせる環境を実現している

 

2階平面図。 建物は外壁の表面積が小さくなるように、正方形に近い形として断熱性能を高めている   断熱の仕様は以下のとおり。屋根は硬質ウレタンフォーム断熱材2種1号(150㎜厚)、外壁はフェノールフォーム断熱材1種2号(80厚)、 基礎・床は押出法ポリスチレンフォーム断熱材3種b(100㎜厚)。開口部にLow-E ペアガラスのアルミ樹脂複合サッシを採用  教室は一般的な学校と同じく8mスパンとする一方、“ホームベース”と呼ばれる廊下も8mスパンとしており、吹抜けを囲むように回遊できる。廊下ではさまざまなアクティビティが可能であり、引違い戸を開放すれば、教室と一体化した広い空間として使える  教室の奥はインナーテラスとなっており、自由に出入りできる。休み時間には子どもたちの居場所になる  不登校支援の1つとして学校内に教育支援センターを設立

建物は3階建てRC造(ラーメン構造)+一部木造。延べ面積は9,579.2㎡。中富良野町は積雪 量も多く(多雪地域・垂直積雪量は130cm)、冬期の太陽の南中高度も低い(冬至で約23.1°)。 そのため、太陽光発電パネルは屋根ではなく、壁面に設置し、発電効率の低下を防いでいる。断熱方式は外断熱であり、熱容量の大きいコンクリートの蓄熱効果も期待できる

階段の手摺は、北海道産の木材を用いて造作。フローリングには北海道産のナラを採用するなど、体に触れる場所に地元の木材を積極的に活用

階段の手摺は、北海道産の木材を用いて造作。フローリングには北海道産のナラを採用するなど、体に触れる場所に地元 の木材を積極的に活用

教育支援センターは、利用する子どもたちが安心して過ごせるよう、動線設計を工夫。また、視線が交差するような椅子の配置は避けた。さらに、リラックスして過ごせる空間とするため畳敷き(いぐさ)のベンチや個室ブースを設けた

中富良野町 企画課 参事 建築景観係長 髙橋純氏(左)と中富良野町教育委員会 教育課課長補佐 三谷和生氏(右)

 

「ラベンダーの杜中富良野町立 なかふらの学園」

取材協力

北海道中富良野町

中富良野町教育委員会

内田洋行

 

NOTE 「なかふらの学園」で採用された製品[内田洋行関連]

中央監視システム:中央監視システム(Smart Building Integration) 

UHF帯IC機器:IT図書館システム「ULiUS(ユリウス)」

                              蔵書点検 ハンディターミナル U-DWSP1

         閲覧返却ブックトラック

         蔵書点検 ソフトウェア

         据置型リーダライタ・アンテナ U-MRU102US 

椅子:MARUNI COLLECTION T&O T1チェア 

畳ベンチ(いぐさ):8-507-0001