【PR】長崎の風景と歴史が息づく仕事場

長崎スタジアムシティは、2024年10月に開業したJリーグ・V・ファーレン長崎のホームスタジアム。スタジアムのほかに、アリーナやホテル、オフィス、ショッピングモールが一体となった複合施設として全国から注目を集めています。その一角にあるのがコワーキングスペース「WORK@NAGASAKI」。一般的なオフィスとは趣が異なる、長崎の歴史と文化が感じられる設えになっています。

長崎の素材を生かし“物語性”に富む設えに

長崎スタジアムシティ内に誕生した長崎最大級のコワーキングスペース「WORK@NAGASAKI」。サッカースタジアムに面した10・11階からは、計画された建築群が俯瞰でき、海や山、市街地など長崎ならではの風景が展望できます。

 

吹抜けの大開口から長崎の街並みとスタジアム全体を一望。天井はパネルとスリットで構成され、スリット部分が整然とした目地のように空間を引き締める

 

内装では、センダンや諫早石といった地元の素材を巧みに取り入れ、ヴォールト天井など長崎の建築文化を現代的に再構築しました。設計を手がけたUCHIDA SHANGHAIの庄司光宏氏は、空間構成を〝マテリアル〞という切り口から発想。工業的な素材は極力使わず、地場産素材の歴史的な価値の再発見としてプリミティブな材料の力を生かすことにこだわりました。

 

長崎県産のセンダンを用いた造作ソファ。天井は厚みのある左官仕上げで仕上げられている。(フローリング)は地域色のあるヘリンボーン張り仕上げ

大開口で開放的なVIPルーム。壁材にはセンダンを使用しつつ、天井を鏡張りとして室内全体を天井に移りこませ、視覚的に拡張している

 

路面電車の軌道下に使われる諫早石は、人目に触れにくい素材だが、あえてその質感を露出。思わぬ会話のきっかけとなる仕掛けが場づくりの狙いとなっています。

「素材本来の強度や経年変化の美しさを空間に取り入れることで、高級感と質素さの間にある豊かさを表現しました」と庄司氏は語ります。

 

長さ5.5mに及ぶカウンターは、造船の街=長崎をイメージして黒鉄板を船の形に造作。背後のセンダンルーバーと、長崎の地形をトレースしたLED照明が印象的な迎えの場を形成

天井は、ダブルスキンのヴォールトメッシュ構成。床はヘリンボー張り仕上げ。教会のような静謐さを宿す通路空間になっている

 

こうした設計の考え方は、設備配管との取合いを丁寧に検討して仕上げた天井や、長崎ならではのヘリンボーン張りの意匠を施した床など、多様な素材の扱い方に如実に表れています。東洋と西洋、歴史と自然が交差する長崎だからこそ生まれた、唯一無二の空間。その奥行きと豊かさを体感してほしいです。

 

設計=庄司光宏(UCHIDA SHANGHAI)

Key Material

VIPルームローテーブル:諫早石( 原石のまま使用)

コワーキング受付け・受付け裏ルーバー壁面VIPルームソファ・コワーキング造作家具・その他一部造作家具:センダン 

コワーキング一部ルーバー天井:スギ 

造船をイメージした受付カウンター:黒皮鉄板 

VIPミーティング天板(3.4m一枚板):サペリ(アフリカ産) 

受付け前床材:玄昌石

 

協賛=内田洋行

設計=UCHIDA SHANGHAI 庄司光宏牧野恭久建築事務所 牧野恭久OU-A Co., Ltd 林誠 

プロジェクトマネジメント=イシマル 

A・B工事設計=戸田建設 

施工=戸田建設 

家具=イシマル内田洋行

写真=長谷川健太