いつか行きたかった空想の世界へ。時間を忘れる旅に出よう

画面のすべてが好奇心を刺激する!探検するように読みたい大人の絵本

4月末の発売から1ヶ月半で3刷を達成した『ヲかシな建物探訪記』が、ついにPDF版電子書籍で登場!空想世界でありながら細かな設定がめぐらされ、空間の広がりやキャラクターの暮らしを想像させる作品の数々が大好評の本書。ゲーム開発も手掛ける埜々原氏ならではの仕掛けが160ページたっぷりに詰まっています。そんな『ヲかシな建物探訪記』の見どころをドドンとお届け!

続々重版!『ヲかシな建物探訪記』とは?

インディーゲーム開発者であり、コンセプトアーティスト/イラストレーターとしても活躍する埜々原氏。2019年よりTwitter(現X)で#萌え建築 シリーズを投稿し、注目を集めてきました。
氏の作品の魅力は、一見誰もが思い描いたことのあるファンタジー世界なのに、不思議と現実味をもった、懐かしさすら感じる風景のあたたかさ。その秘密は、細部にこめられた氏の偏愛と情報の密度です。

#萌え建築 の1作目として描かれた「ごちゃっと雑居物件」。剥がれた壁の塗装からレンガがのぞき、建物が重ねてきた時間を感じられる味わい深い建物だ。『ヲかシな建物探訪記』の旅も、この建物から始まる…

現実でも、自然の環境と人々の営みである建物が共存している風景の中には、暮らしの工夫や自然の侵食など、人と環境が互いに干渉した跡を見つけることができます。#萌え建築 は、そのさりげない仕草の魅力に注目し、創造力を注ぎ込んでつくられた作品なのです。さらには、ゲーム開発も手掛ける埜々原氏ならではの立体的・時間的な広がりが感じられる設定が加わり、一枚の絵にとどまらない世界観の広がりが感じられます。

本書は#萌え建築シリーズおよび同人誌版の『ヲカシな建築』『ヲかシな建築2』に掲載された22作品の設定を掘り下げる200点以上の新規カットのほか、完全新作を4作品追加。さらには、ストーリーや地図によってこれらの作品をつなげ、1つの世界観として膨らませた”決定版”です。

旅の雰囲気を楽しめるイラスト+設定画のセットで掘り下げ

「森はずれの崖ノ村」切り立った崖にへばりつくようにして建つ住居。自然に侵食された様子やベランダでなにかつくっている様子が物語を感じさせる

屋根のコケは雨水の浄化作用があること、村長の寝所、上下左右への道のつながり…そんなところにまで設定が!?と言いたくなる

各作品は、旅情を誘う素敵なイラストと、解説ページのセットで構成されています。まるで音や風を感じるような生き生きとしたイラストで美しい風景とストーリーを楽しんだと思えば、ページをめくると建物の間取り図やディテール、食べ物や小物、取水・排水経路などの日常の暮らしのシーンがふんだんに登場。思わずページを戻って、細部をじっくり観察したくなるでしょう。

「ごちゃっと雑居物件」冬のようす。雪遊びをして父親の帰りを待つ子どもは、スノーエンジェルをつくっていたみたい

一部の作品では、昼夜や季節など、異なるシチュエーションの差分も描かれます。ささやかだけど心に響く、小さな物語の積み重ね。読めば読むほど想像がふくらみ、行きたい土地や住みたい建物を考えるのも楽しくなります。

4つのエリアでさまざまな世界観を楽しめる

歩荷ぶたの旅は、大きく4つのエリアにわけて展開します。1章「平野エリア」には、和やかな天候と自然を背景に栄えた街や都市が登場。気前のいい鍛冶屋が弟子と住む辺境の鍛冶屋、異国のものが交差する賑やかな市場、旅の途中で腰を休めるドライブイン…。空に浮かぶ陸地でのワクワクする発見も。

2章「沿岸・諸島エリア」には、内海沿いに栄える賑やかな街の一方、自然と共生する建物が見られます。山海の恵みをふんだんに楽しめる飲食店街、住人が思い思いに部屋をカスタマイズする集合住宅。店と商品の区別がつかないほど一体化した植物店、漁を生業とする人々が暮らす、船庫を伴う海上の家など…。

3章「山岳・森林エリア」の建物は、ダイナミックな環境がもたらす険しさに寄り添うような姿が見ごたえあり。広大な雲海を見下ろす霧笛小屋、巨大樹の上に発展した都の薬草屋、険しくそびえたつ山頂の簡素で機能的な山小屋。小さな渓谷に建つピッツェリアには、さまざまな森の住人たちが集います。

4章「峡谷の国」は、水を抜いて水位の下がった巨大湖の窪地に築かれた国。水や風と共生する暮らしの仕組みが独特な建物を生んでいます。ごうごうと流れ落ちる滝の裏につくられたアパート、強風を生活に利用した風車小屋、人工暗渠に棲みついたきのこ族…。居住区が層になって分かれ、環境によって街の雰囲気が変わるのが風景に見て取れます。

楽しみ方無限大!本を開いてから閉じるまで、どっぷり「ヲかシな世界」に浸れます

本書の楽しみは作品以外の場所にも潜んでいるから、気を抜いてはいけません。
各章のあいまには、歩荷ぶたが通ったルートをメモした「旅の記録」が挟まります。何を依頼されてどこへ届けたのか、どんなグルメを楽しんだのか、ここにしか書かれていないエピソードもあるので、見落とし注意。

作品のところどころには、歩荷ぶたの旅の物語をにぎわす様々なキャラクターが登場。彼らの隠れた物語にも注目です。

担当編集のお気に入りは「いやしいリス」(中央および机の下)。ピッツェリアで客のピザを奪う算段を立てていると思いきや、オオカミのパンワゴンでは商品選びに夢中に(かわいい)。マッチョペンギンブラザーズの家についてきてしまう人(?)懐っこいリスが、「おわりに」ではついに…!?

そのほか、歩荷ぶたの旅のもちものや、各地から持ち帰ってきた旅のおみやげなど、物語を補完する情報がそこかしこに散りばめられています。荷物を運んで土地をわたり歩く「歩荷ぶた」の物語をイラスト・テキスト・地図でなぞるような構成で、絵本のように楽しめます。ぜひ繰り返し読んで、何度も新しい発見に出会ってください。

中身を撮影&SNSへのアップOK!ご感想をお待ちしております

『ヲかシな建物探訪記』は、#ヲかシな建物探訪記 にてみなさまのご感想をお待ちしております。
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7/4(木)より、『ヲかシな建物探訪記』はPDF版電子書籍の販売も開始しました。タブレットに入れて旅先やキャンプに持っていったら、まるで一緒に旅をしているような気分にひたれるかも…!ぜひ下記リンクよりご確認ください。

埜々原 ヲかシな建物探訪記 書影

『ヲかシな建物探訪記』
定価 2,200円+税
著者名 埜々原
ページ数 160
判型 B5変

著者プロフィール

埜々原(ののはら)

コンセプトアーティスト/イラストレーター/インディーゲーム開発者
2019 年から制作しはじめた風景イラスト「#萌え建築」シリーズがSNSで話題に。「行ってみたい、住んでみたい」建築をテーマに、生活感あふれる情景や、自然環境と生活とが共存し合う情景を描いた作品は、見た人に自然の美しさと人間の営みの面白さを感じさせる。ゲーム会社で背景イラストレーターやアートディレクターを経て2021年に独立。ゲームのコンセプトアート・設定画を中心に、体験型ミュージアムのキービジュアル制作、ペーパークラフトのデザイン提供などを手掛ける。小規模チームでゲームの自主制作も精力的に行っている。
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