かわいすぎてしつこく構ってしまう……。いたずらを叱りすぎた……。ついついやってしまう人間の行動を、猫はどう感じているのでしょうか?言葉は通じなくても、猫は全身でたくさんの気持ちを伝えてくれています。大好きな猫に嫌われたくない!もっと懐かれたい!そんな猫好きの皆さんにもってこいの、猫の気持ちがわかる1冊をご紹介します!
「猫編集部員のテテだニャ。『ネコのキモチ解剖図鑑』をもとに、猫が日頃から考えていることを教えるニャ!」
ご機嫌な「ニャー」?ご不満の「ニャー」?まずは鳴き声で感情を理解しよう
猫と一緒に暮らしていると、いろいろな「ニャー」で話しかけてくれますよね。猫の鳴き声はおおまかに20種類に分類されるといわれています。どんな鳴き声がどんな気持ちを伝えているのか、覚えておきましょう。
「人間は話が通じなさすぎるニャ。しっかり頭に叩き込むニャ」
主な猫の鳴き声
「ニャー」
人に対して最も多く向けられ、食事、遊び、マッサージなど、さまざまなおねだりに使われる声。不満の場合もあるので、しぐさや状況の確認を
「ゴロゴロ」
のどの奥で発する音。要求に使う場合も。生後間もない頃から発するので、母子のコミュニケーションに関係する説もあるが、詳しいメカニズムは不明
「ニャ」
飼い主を見つけたときや名前を呼ばれたときに、あいさつするかのような一声を上げる。人に向けられる代表的な声。特に親しい猫に対して鳴くことも
「シャー・ウー」
縄張りへの侵入者、気に入らない者、外敵などに向ける威嚇の声。争いを避けることが目的なので、相手が立ち去ればケンカに発展することはない
「カカカカ」
猫じゃらしで遊んでいるとき、窓の外に虫や鳥を見つけたときなどに発する。襲いかかりたいのにできない状態が続き、興奮ともどかしさをあらわす
ちゃんと見てる?耳と目、ひげでも伝えています!表情から機嫌を汲み取ろう
ゆっくりとしたまばたきは親愛の証、下がったヒゲはご機嫌ななめ……など、猫は愛情表現から威嚇まで、表情豊か。無表情に見える猫も、実は表情で感情を表現しています。目や耳、ヒゲの動きで機嫌を汲み取ってあげましょう。
「『かわいい~』と言ってとろけているだけの人間と違って、猫の感情は忙しいニャ」
耳の動きでわかる警戒度
通常の状態:耳をピンと立ててリラックスしている
積極的な攻撃の状態:耳が横を向き、瞳孔は狭くなる
防御的な攻撃の状態:耳が後ろを向き、威嚇の声を出す
犬と猫では違います!しっぽの動きで気持ちを読み取ろう
しっぽは猫の感情がストレートにあらわれるところです。18~19個もの骨、12本の筋肉が細かに動き、感情を雄弁に語ります。伸ばす、曲げる、揺らす、逆立てる、などさまざまな動きで意思表示をします。
「しっぽを垂直に立てているときは上機嫌、下に垂れているときは不機嫌なことが多いニャ。ときどき間違えてしっぽを踏む人間がいるが、言語道断ニャ」
友好:あいさつの姿勢。真上にピンと立てます
うれしい:しっぽをぶるぶると左右に震わせます
バカにしている:友好のしっぽとも似ていますが、ピンと立ったまま左右に揺らします
怒り:威嚇中のしっぽ。毛が逆立ち、ふくらんでいるように見えます
自信がない:自信がないときは、ピンと立っているものの、先端が曲がっています
防御:しっぽに少し力が入り、警戒しています
警戒または興味:先端をぴくぴくと動かします。名前を呼ばれても動きたくない、でも気になる、そんなときにもこの動きをします
イライラ:激しく左右に振ります。床に叩きつけることも
1回5~15分が目安。1~2歳までは毎日が理想!猫にウケる遊び方は?
運動不足を解消するため、おもちゃで遊ぶ時間は重要。子猫期、青年期など若いうちはとにかくたくさん遊ぶことで精神的、肉体的に健やかな成長につながります。年齢を重ねると遊びに興味を示さなくなってきますが、筋力を衰えさせないためにも、無理のない範囲で遊び続けたいところ。おもちゃや遊び方を変えつつ、猫が飽きないように工夫しましょう
「手を抜いている人間はすぐ見抜くニャ。楽しませる姿勢を見せてほしいニャ!」
上下運動を取り入れる
猫が喜ぶのは、狩猟本能をくすぐるような遊び。おもちゃを捕まえさせるのに、上下運動を取り入れるとよいでしょう。おもちゃは猫の獲物に見立てるのがコツ。物陰に隠す、あえて止めるなど、猫がその気になる工夫を。
おもちゃで遊ぶコツ:ヒモのついた人形や猫じゃらしは、ネズミや虫、鳥をまねた動きができるのがおすすめ。また、ボールも勢いよく転がせば、飛びつきます。いずれにしても一定の規則的な動きではなく、不意に止めたりして、獲物の動きを再現するのがポイント
新しいおもちゃで刺激を与える
同じおもちゃばかりだと飽きてしまって、興味を示さなくなることもあります。新しいおもちゃを用意して、刺激を与えてあげるようにします
光で遊ぶ:鏡で光を反射させるほか、懐中電灯やレーザーポインターを使って遊びます。壁や床に光を反射させると猫の反応もよくなります。ただし、夢中になりやすいので、周囲のものを片付けておきましょう。また、レーザーポインターは猫の目に入ると危険です。猫に直接当らないように
おもちゃの誤飲に気をつける
やわらかくて噛み切れるものや小さいものは、誤飲しないよう注意しましょう。どんなおもちゃでも出しっぱなしにしないことです。
こんな遊び方はNG:猫はマイペースな動物。猫が飽きているのに、しつこく遊ぶのはやめましょう。飼い主が別のことをしながら猫と遊ぶ「ながら遊び」も厳禁です。猫の様子がわからず、思わぬ事故につながる可能性も
猫と仲良くなりたい、すべての猫好きに!
「ネコのキモチ解剖図鑑」では、このほかにも猫と暮らすうえで知っておきたい知識が満載!知らないことだらけの初心者さんから、より猫と仲良くなりたいベテランさんまで、お役立ちの1冊です。猫の気持ちを察せる、スマートな飼い主を目指しましょう!
著者:服部 幸
ページ数:160
定価:1,400円+税
猫編集部員プロフィール
テテ
2023年12月24日生まれの男の子
家猫とは思えないほど野性的で、チャームポイントは筋肉隆々の身体
……と家族は思っていたが、先日病院で「脂肪がすごいですね」と言われてしまった