保安官と警官の違いは? 007が所属するMI6って何の略? 知っているようで知らない、海外の警察組織や諜報機関をイラストとともに解説

CIAやFBI、MI6にKGB……小説や映画・ドラマに出てくるこうした組織は、名前だけでよく知らない人も多いのではないでしょうか。そんな各国の警察や諜報機関を、第一線で活躍する翻訳家がわかりやすく解説します。警察やスパイものが好きな人はもちろん、作品にリアリティをもたせたい創作者、翻訳者や翻訳者志望者にもおすすめです。

◆刑事ドラマのあのキャラはどのくらい「偉い」? 組織と階級

かの有名なコロンボ刑事の階級はルーテナント(Lieutenant)。そもそも「刑事」という役職はなく、英語ではディテクティブ、インスペクター、サージェントなどいろんな言葉で表されます。同じ役職でも自治体によってそのランクはさまざまで、さらに米国と英国でも大きく異なります。映画やドラマでおなじみのあの刑事はどのくらい「偉い」のか? FBIや州警察との違いは?などなど、ドラマや映画を見ていて気になるあれこれをスッキリ解説!

 

◆同じ町に警察官と保安官がいる?

 

 

西部劇ではおなじみの、カウボーイハットに星型のバッジを付けた保安官。しかし、現代のアメリカにも保安官はいます。彼らの仕事は警官とどう違う?住み分けはどうしているの? 同じ町の中に保安官と警察がいる場合は?「シェリフ」と「マーシャル」の違いは何?保安官制度の成り立ちからは、アメリカの歴史や社会背景まで見えてきます。

 

◆女王陛下の諜報機関-MI6MI5

CIAと並び、世界で一番有名な諜報機関ともいえるMI6=英国秘密情報部。いわずと知れた、ジェームズ・ボンドの所属機関です。設立は1907年ですが、その起源となった組織ができたのは、なんとテューダー朝のエリザベス一世の時代にさかのぼります。MI5MI6の違い、スパイ出身の作家たち、ケンブリッジ大学出身のスパイ5人組「ケンブリッジ・ファイブ」などなど、英国史を影で動かしてきた諜報の世界を徹底解剖!ちなみに著者の加賀山卓朗さんはスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの翻訳でも知られるため、ル・カレの話題もたっぷり、ファンは必読です!

 

◆作品愛あふれるイラストで新旧の関連作品を100作以上紹介

 

懐かしの名作から配信系の最新ドラマまで、イラストレーター松島由林さんによる楽しい小ネタ満載のイラストとともに、おすすめ関連作品(映画・ドラマ・小説)も紹介。米国・英国を中心に、ミステリ・ノワールといったら欠かせない北欧、現在世界中のエンタメ界を席巻している韓国の作品も。大好きなドラマや映画も、本書で警察や諜報機関の背景を知れば、ぐっとその面白さが増すはず。気軽な作品ガイドとしても使えます。

 

定価       1,700円+税

著者名    加賀山卓朗 (), ♪akira (), 松島由林 (イラスト)

ページ数              136

判型       A5判

発行年月日           2024/12/06

ISBN      9784767833620

 

■著者紹介

加賀山卓朗:1962年生。翻訳家。おもな訳書に、ル・カレ『スパイたちの遺産』、グリーン『ヒューマン・ファクター』、ルヘイン『ミスティック・リバー』(以上、早川書房)、ディケンズ『大いなる遺産』(新潮社)、コスビー『頰に哀しみを刻め』(ハーパーコリンズ・ジャパン)など。依田卓巳名義でノンフィクションも訳している。 

♪akira:翻訳ミステリー・映画ライター。月刊誌「本の雑誌」で新作映画コラム<本、ときどき映画>、季刊誌「ミステリマガジン」でミステリドラマレビューを連載中。文庫解説はアンドレアス・フェーア『急斜面』(小学館文庫)、ジャナ・デリオン『ハートに火をつけないで』(創元推理文庫)ほか。

イラスト/松島由林:イラストレーター。『ワニの町へ来たスパイ』などのワニ町シリーズ、『パーカー・パインの事件簿』(東京創元社)、『相棒 season21』(朝日文庫)、『アミュレットホテル』(光文社)等の装画を担当。母の本棚にあった『シカゴ・ブルース』が海外ミステリの一番古い読書記憶です。ドラマだと『刑事コロンボ』です。