◆第1弾『養老先生、病院へ行く』
2020年、心筋梗塞の治療と入院を契機に、医療との距離の取り方がどのように変化したのかを養老先生に語っていただき、それに対する意見を、中川先生が医者の立場から語るという形でまとめています。また養老先生と親しい漫画家のヤマザキマリさんが参加した鼎談も収録されています。ここでも現代医療が抱える問題を3人で語り合っています。

愛猫まるをかかえて笑顔の養老先生。

鎌倉・養老邸の裏で佇むまる。
◆第2弾『養老先生、再び病院へ行く』
心筋梗塞を患い、生死をさまよってから2年半。再診を受けるために久々に東大病院を訪れた養老先生。老いや死について持論を語りつつ、まるや虫の話から死刑制度まで、多彩な話題に触れています。巻末には、作家阿川佐和子さんを交えた鼎談も収録。

養老先生の虫の標本づくりを興味深そうに眺める教え子の中川医師。

静謐な空気が流れる箱根の養老昆虫館には、世界中から採取した昆虫が整然と並ぶ。
◆第3弾『養老先生、がんになる』
心筋梗塞の奇跡的回復から4年。ご息女の指摘で養老先生にがんが見つかりました。中川先生には「完治はいいから治療はテキトーにやってください」とメールしたそうですが、さて、今回はどのような治療法を選択し、進めたのでしょうか。本書では治療の途中までの3か月間に密着しました。鍼灸師でもある娘・暁花さんや担当医の証言も初収録。

東大病院に入院中の養老先生。穏やかな表情を見せる。

2024年7月、鎌倉文華館鶴岡ミュージアムで開催された自身の虫展の展示室。

2024年6月。北鎌倉・建長寺での虫供養にて。このとき自身の肺がんを出席者に告白した。
【著者プロフィール】
養老孟司 Yoro Takeshi
1937(昭和12)年、神奈川県鎌倉生まれ。解剖学者。東京大学医学部卒。
東京大学名誉教授。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学
芸賞受賞。新潮新書『バカの壁』が大ヒット、450万部超えのベストセラ
ーとなる。また新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。『養
老先生、病院へ行く』『唯脳論』『かけがえのないもの』『手入れという思想』
『ヒトの壁』『まる ありがとう』『ものがわかるということ』など著書多数。
中川恵一 Nakagawa Keiichi
1960年(昭和35)年、東京都月島生まれ。東京大学医学部医学科卒業後、
同大学医学部放射線医学教室入局。社会保険中央総合病院放射線科、
東京大学医学部放射線医学教室助手、専任講師、准教授を経て、現在、
東京大学大学院医学系研究科 特任教授。2003年~2014年、東京大学
医学部附属病院緩和ケア診療部長を兼任。共・著書に『医者にがんと言
われたら最初に読む本』『養老先生、病院へ行く』『人生を変える健康学
がんを学んで元気に100歳』など多数。