『フランダースの犬』『赤毛のアン』『あらいぐまラスカル』『母をたずねて三千里』『ペリーヌ物語』……。
日本アニメーション全面協力のもと、本書では設定画をもとに新たに間取り図を描き起こしました。オリジナルの設定画や制作スタッフへのインタビュー、ロケハン時の写真など、貴重な資料も豊富に収録。眺めるだけで放映時の思い出がよみがえる一冊です!
◆『フランダースの犬』
主人公ネロが住むのは、ベルギーのフランダース地方、茅葺き屋根が特徴的な18~19世紀の農村の家。制作スタッフはベルギーの野外博物館を訪れ、移築された当時の農家を参考にしました。一方、アントワープ市内の描写は、世界遺産にもなっている運河の街ブルージュをモデルにしています。
ネロを引き取ったジェハンじいさんの家は、納屋と住居スペースが一体になった、当時の小作農の典型的な住まいです。
◆『母をたずねて三千里』
物語の前半の舞台となるのは、イタリアの港町ジェノバ。制作スタッフは現地をロケハンし、19世紀末の街並みが残る旧市街の風景をアニメに取り入れました。強い日差しを防ぐ緑の鎧戸や、建物と建物の間に綱を渡して洗濯物を干されている風景など、印象に残っている視聴者も多いのではないでしょうか。背景の参考のための設定画は、ロケハンに同行した宮崎駿が描き起こしています。
主人公マルコの家は3階。水道設備がないので、マルコが1階の広場まで水を汲んで行き来する必要がありました。
◆『赤毛のアン』
グリーン・ゲイブルズやダイアナの家の間取りに加え、舞台となったプリンス・エドワード島の風景も数多く掲載。最初にアンが降り立った駅や、アンが通ったアボンリー小学校など、それぞれモデルとなった建物が残っています。「現地に行って実際に体験してくることには、本で調べるだけでは得られない価値があります」(中島順三プロデューサーのコメントより)
当時、郵便物は郵便局の私書箱に取りに行く必要がありました。原作者モンゴメリが実際に手伝っていた郵便局がアニメにも登場しています。
◆『ペリーヌ物語』
ペリーヌとお母さんの住まいであり、移動手段でもあった「家馬車」。ロバのパリカールが曳くこの木製の馬車に憧れたという人も多いのではないでしょうか。生活に必要なものがコンパクトに収納された内部は、折りたたみ式のベッドから食品棚まで、細部に至るまで考えられて配置されていたことが設定画からも見て取れます。
父親が写真屋だっため、馬車には撮影機材や現像用の机なども積んでいます。
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『「世界名作劇場」の家と間取り』
定価 1,900円+税
著者 ちばかおり
ページ数 128
判型 A5判
発行年月 2025/8
ISBN 978-4767834566
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