11/20発売の建築知識12月号
「最新研究でよみがえる!古代ギリシアの建物と暮らし図鑑」
神殿の起源・装飾・構法やアゴラ(広場)の変遷など、建築的な専門分野から、
服飾や食文化、言語・宗教などの生活・文化史にまでフォーカス!
幅広い視点から古代ギリシアの建物と暮らしを学ぶことができます。
PDF版の販売に伴い、
早くも読者から反響の多かった「魔術」(本誌P60-63)の、
種類・それぞれの方法について、誌面の内容を簡単にご紹介します!
魔術には、呪術、防衛術、死霊魔術などさまざまな種類が存在!
古代ギリシアにおいて魔術(マゲイア)とは、物理法則や他人の運命を操作しようとする、超自然的な術全般を指しました。
呪術とは…
病気や死などの悪いことが他人に起きるように強く願い、成就のために儀式を行う魔術。古代ギリシアは階級がないゆえに競争社会であったため、ライバルに勝つ目的で呪術が一般化したと考えられています。呪術は恋愛・仕事・競技・演劇・裁判などの場で用いられました。
防衛術とは…
相手を陥れる呪術が浸透すると、それに対抗するための魔術の需要が高まっていきました。これを防衛術といいます。呪術から身を守るための防衛術が登場→人々はより強力な呪術を追い求めるようになる→それに対して防衛術の強さも増す→さらにそれを上回るための呪術が開発される……という〝いたちごっこ〞が展開されました。
死霊魔術とは…
死者だけが知る秘密を霊に語らせたり、死者を操って誰かを攻撃したりするために、死体や亡霊、冥界に働きかける魔術のこと。たとえば、亡くなった家族や恋人に会うため、悪霊を祓うため、などの目的で用いられました。
呪術はプロ、素人がそれぞれ行った
(素人・一般人の呪術の例)

(プロ・魔術師による呪術の営業)

依頼を受けると魔術師は呪詛板を作成し、川・地中・海・湖・棺・井戸などの中に安置。最も効果的なのは墓の中で、墓から掘り起こした死体の右腕に呪詛板を挟んで埋め戻していました。
防衛術には手軽な呪文や護符の持ち歩きを
防衛術は災害や病気などを退けるためのものでもあり、社会的に認められていました。手軽な防衛術としてはジェスチャーや呪文の詠唱が、効果に永続性があるものとしては護符が一般的でした。

護符は素材やモチーフによって効力が異なり、、人々は指輪やペンダントにして身に着けていました。これらも本誌で紹介しています。
死霊魔術を行うためには死霊神託所を訪れた
死霊と会話したい者は、死霊神託所を訪れる必要がありました。古代ギリシアでは公認された死霊神託所が存在し、国家に認められた魔術師が活動していました。死霊神託所で死者に会うためには、手順通りの行動を行う必要がありました。

29日間を過ぎると、依頼者は大広間に案内され、ここで死者と話すことができました。
このように古代ギリシア人の生活には魔術が根付いており、社会構造の維持や競争社会の中で活用されていました。
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