木造 大屋根 

【折れ屋根の家】木の架構に包み込まれる大らかな住空間づくり ― 石﨑哲也 + 石﨑瑠美子 ―

道路から見ると、高さを抑えたシンプルな切妻屋根の平屋のように見えます。しかし敷地の奥に進むと、折れ屋根が高く広がり、2階建ての気積が確保されています。折れ屋根の軒は深く、あらわしの木の架構が家族の暮らしを包み込みます。高さの変化と深い軒によって周辺環境との距離感を調整した、居心地の良い大らかな住空間を探訪してみましょう。

構造 深い軒を支える木造トラス

構造 トラス 国産材

屋根はトラス架構により2.7m跳ね出した。バルコニー上部は垂木をカットし、顔を出せるようにしている

軒桁 上棟

上棟時の様子。出桁(だしげた・軒先の梁)はジャッキで持ち上げて最大1cmの“むくり”をつけ、その状態で屋根・床・壁に構造用合板を張り、建物全体の剛性を確保。ジャッキを撤去すると、出桁は水平になる。ジャッキアップを行わずに施工すると、梁はクリープ変形により徐々にたわみが増加してしまう。一見特殊な工法に見えるが、ジャッキを使うだけなので、施工手間やコストはほとんどかからない

吹抜け 中庭

垂木により視線が中庭まで自然に導かれる

 

NOTE 折れ屋根の家」で採用された製品 

外部

屋根(ガルバリウム鋼板0.4mm厚 立てはぜ葺き) ニクスカラーPro GC |マットグレー/日鉄鋼板

外壁(合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材) ジョリパットアルファ JP-100/アイカ工業

断熱材(屋根・フェノールフォーム) ネオマフォーム/旭化成建材

断熱材(壁・高性能グラスウール) アクリアネクストα/旭ファイバーグラス

屋根防音材 ビルボード/DAIKEN

構造材(柱梁・静岡県産スギ) 森平製材所 

大工(木材加工):太田建築  

構造材(垂木・輸入SPF材)

木製サッシ(ヒノキ) 弓桁木工所

 

内部

床(LDK・タイル) コットメント PS-X4440/名古屋モザイク工業

床(個室など・フローリング) ナラユニ ネイチャー フローリング FNNRU-1500/興亜通商 

壁(水廻り・アクリル樹脂系塗装けい酸カルシウム板) ルナライトSRK6302L /アイカ工業 

 

取材協力:石﨑哲也[いしざき・てつや]+石﨑瑠美子[いしざき・るみこ]

石﨑哲也

石﨑哲也。1980年福島県生まれ。一級建築士。2003年日本大学理工学部建築学科卒業。’05年日本大学大学院理工学研究科博士前期課程建築学専攻修了。’05~’10年ワークステーション一級建築士事務所勤務。’11年 石崎建築設計設立。’25年より静岡産業技術専門学校 建築科 学科長

石﨑瑠美子

石﨑瑠美子。1978年新潟県生まれ。一級建築士。2001年早稲田大学理工学部建築学科卒業。’03年早稲田大学大学院建設工学科修了。’03~’05年ワークステーション一級建築士事務所勤務。’11年石崎建築設計設立

 

設計=石崎建築設計

構造設計=小山直丈構造設計事務所

施工=小野田産業

写真=山内紀人

取材・文=後藤利英子

 

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