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「延焼防止建築物」ってなに?
「延焼防止建築物」とは、平成30年の法改正で新しく登場したキーワード※1。見た感じ火に強そうというのは理解できますが、「耐火建築物※2」や「準耐火建築物※3」とはどう違うの?というところが気になりますよね。
結論から言うと、「見た目は準耐火構造、性能は(ほぼ)耐火構造」の建築物です。
イメージとしては、レベル35.999999999で中身ほぼ●ザードンの●ザードです。
「みんな二度見してくるのが地味に傷つきます」
※1 法文上の用語ではないが、説明を分かりやすくするため通称として用いられている
※2 壁・柱・床・梁などの主要構造部に一定時間の耐火性能(耐火構造)を持たせた建築物。内外いずれの火災に対しても非損傷性・遮熱性・遮炎性が求められる。耐火時間は部位により異なり最長3時間。主に鉄骨やコンクリートなどの不燃材料を使用した構造となる
※3 小規模な建物などで該当する、耐火構造に次ぐ耐火性能を持つ建築物。耐火時間は最長1時間
具体的にどんな建物なの?
具体的には、「主要構造部を準耐火構造とし、外壁や軒裏、開口部など延焼ルートの防火性能を上げることで延焼リスクを抑えた建物」になります。
これから詳しくご説明しますが、百聞は一見にしかず。
まずはリアルな延焼防止建築物をご覧いただきましょう。
キミに決めた!!いけっ!!延焼防止建築物!!!
お分かりいただけただろうか。この木表し仕上げを…!
外壁や開口部などの外郭に防火措置を施していますが、内部は準耐火構造です。
従来は、耐火建築物をつくろうとした場合、壁や柱に防火被覆を施すなど一律で防火対策を施す必要がありましたが、延焼防止建築物は主要構造部が準耐火構造なので、木の素材を生かした燃えしろ設計(深堀り用語参照)が可能となるのが大きなメリットです。
さらに、防火地域内に耐火建築物を立てた際に受けられる建蔽率上限の緩和(10%)も、延焼防止建築物を建てた際に適用されます。
いつもいつでも建てられるなんて、保証はどこにもないけど…
このように魅力的な延焼防止建築物ですが、どこにでも建てられる訳ではないのです。
階数と面積の区分けに応じて建てられる建築物の種類は異なります(表1)。なお、延焼防止建築物は地上階数3階以下でなければ適用できないので、4階以上の場合は耐火建築物とするか大臣認定を受けたものとする以外に選択肢はありません。
ちなみに表中に「準延焼防止建築物」がありますが、こちらは主要構造部を防火構造※4とし、外郭部に防火措置を施した建築物で、準耐火建築物と同等以上の延焼防止時間をもつものになります。ほぼ●ザードの●トカゲと思っていただければOKです。
「準延焼防止建築物は、規模(階数・面積)によって構造方法が異なるよ…」
※4 外壁や軒裏に一定時間の防火性能を持たせた構造。耐火性能が内外いずれの火災に対しても非損傷性・遮熱性・遮炎性が求められるのに対し、防火性能は外部からの延焼に対する非損傷性と遮熱性の2つのみが求められる。
用途によって構造方法が定められている
また、用途によって構造方法が異なることにも注意が必要です。たとえば、特定少数が利用する戸建て住宅よりも、不特定多数が利用するホテルはより高い耐火性能が求められるのです(表2)。
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