クリエイター必見! 昔と今の学校の廊下は「設備・廊下幅・窓」が描き分けのポイント

時代と共に学校の様子も少しずつ変化しています。皆さんが通っていた時代と、今の学生が通っている学校は、ちょっと違うかも? MAEDAX塾長の描いた高校の廊下を例に、新旧の学校の違いを徹底解説していきます。ポイントは、設備機器・廊下幅・窓の大きさ。

ひと昔前の高校の廊下は「物だらけ」

こちらのイラストは「ひと昔前の高校の廊下」です。
今は新しい校舎に建替えられたので残っていません。
よく見るといろんな物が置かれているのが分かります。
ロッカー、生徒のカバン、消火器、バケツ、掃除用具入れ、教室机(おそらく何か物を置く棚の代わりに使っていた)などなど。
また、壁や天井に張り巡らされた設備配管や、照明・スピーカーなども印象的です。
これらは、建築当初に設置されたものもあると思いますが、学校が長年使われるなかで、少しずつ後付けで追加されていったものもあります。
変なところから飛び出ていたり、謎の存在感がある配管は後付けの可能性大です。
このようにものが雑然と置かれた様子を表現することで「ひと昔前の高校の廊下」っぽい雰囲気を出すことができます。
また、「窓が小さい」「換気用の木製の地窓が付いている」「天井の仕上げが石膏ボード」「照明が蛍光灯」なども時代を感じさせる要素になります。

「MAEDAXの学校萌え!!」ひと昔前の学校の廊下(高校の廊下)の背景イラスト資料

 

廊下の幅は1.8m以上!

ちなみに、学校の廊下の幅には決まりがあります。
上のイラストのように、片方が教室で、その反対側が屋外になっている廊下(片廊下)の通路幅は、1.8m以上確保しなければなりません。
これは廊下の一番狭い場所の幅が基準になります。
通路の両サイドに教室がある廊下(中廊下)の通路幅は、少し広めの2.3m以上が基準です。
ひと昔前の高校の廊下は、上記の基準ギリギリに廊下の幅を設定するケースが多かったので、「今どきの廊下」に比べて狭く感じます。

 

今どきの高校の廊下は「スッキリ広々」

少し狭くて雑然とした雰囲気の「ひと昔前の高校の廊下」に対して、「今どきの高校の廊下」は広々とした空間になっています。
片廊下でも通路幅が2.32.5mは確保されますし、窓が大きいので明るく広々としています。
生徒用のロッカー、掃除用具入れ、消火器なども、専用の設置場所を設計の段階で検討しているので、壁の中にスッキリ収まっています。
天井の高さに大きな違いはありませんが、仕上げをルーバーにすることで、視線の抜けがよくなり実際よりも天井が高く見えます。
照明などの設備は、天井裏を中心に徹底的に埋め込まれているので、ひと昔前のゴチャゴチャ感はありませんね。

「MAEDAXの学校萌え!!」今どきの学校の廊下(高校の廊下)の背景イラスト資料

 

今どきの廊下は「ラウンジ」まである!?

「廊下が広くて快適になったな~」と思いきや、今どきの廊下はそれだけではありません。
なんと生徒の交流・憩いのスペースとして、ラウンジまで設けられているのです!
廊下が、ただの移動空間ではなく、生徒がくつろげる場所としても活用されているんですね。
学校で展開される物語の舞台に、新たな選択肢が追加されたように感じます♡

 

豊富なイラスト&図面で、学校のデザイン・寸法・設備などを徹底解説!イラストレーター・クリエイター必携の“資料集”。学校のイメージが具体的になること間違いなし

MAEDAXの学校萌え!!

MAEDAX 著
128ページ
B5版
定価2,000円

 

MAEDAX
鹿児島県出身。福岡の短大を卒業後、瀬口たかひろのアシスタントとして2 年半活動。週刊漫画連載のチーフアシスタントなどを勤め、15 年に渡り実績を詰む。兄弟子にあたる畑健二郎は「プロのアシスタントとしては恐ろしく有能で、もの凄い技術の持ち主」と評する。同名義で声優名鑑に載るなど、多方面に活躍し、漫画家アシスタントとして日本で一番の知名度を誇る。独立後、フリーのアシスタントを経て2013年11月に『アシスタント背景美塾』を立ち上げる。著書に『MAEDAXの背景萌え!』(一迅社)、 『即戦力の漫画背景』(幻冬舎コミックス)がある。
アシスタント背景美塾公式サイト:https://haikeibijuku.com/
X(旧Twitter)背景美塾公式アカウント:@haikei_bijuku
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