ありそうでなかった英国の間取り本。外観からは想像できない魅惑の世界へ、あなたを誘います

イギリス現地の不動産屋でも入手できない「住宅の間取り」。
御宅訪問で実測し、スケッチイラストにして紹介しています。

◆地域ごとに変わる素材でつくられるイギリスの家

イギリスではその地域で採れる材料を用いて家を建てることが多いため、どの地域の家か、建物を見ただけで分かります。
土の色、背景となる景色と同じ色をもつ素材を使った家は、年月を重ねてその土地と一体化し、圧倒される存在感が備わります。

『日本でもできる!英国の間取り』P22-23 より

◆「うちはジョージアン様式なの」=「18世紀に建てられた家」

ジョージアン様式やビクトリアン様式、エドワーディアン様式……。
イギリスではその様式が流行った当時の建物が増改築されながら住み継がれています。
どの様式の住宅も、生き残った家には美しさがあり、それぞれの様式にファンがいます。

『日本でもできる!英国の間取り』P26-27 より

◆ファサードからは想像できない豊かな空間

街中にある家の場合、フロントガーデンはなく、道路からすぐに玄関です。
その場合でも、家の裏手には緑豊かなバックガーデンが備わっています。
そのガーデンと家とを結ぶ空間として、「コンサバトリー」を設けることが多いです。
サンルームのような空間で、ダイニングやユーティリティなどさまざまな用途に増築の申請手続きが不要なのも魅力です。

『日本でもできる!英国の間取り』P122-123 より

◆動く「家」というのもアリ!

イギリス各地には多くの運河があります。
18世紀から19世紀にかけての産業革命時に舟で資材を運搬するため、各地で都市と川をつなぐ運河を建設しました。
その運河で使われていた舟が「ナローボート」です。
鉄道の普及とともに衰退しましたが、現在はレジャー用として復活しています。
そして、ボートを住まいとしている人もいるのです。
窓から見える風景が変化する家、というのもいいですね。

『日本でもできる!英国の間取り』P138-139 より

『日本でもできる!英国の間取り』

著者 山田 佳代子
定価 1,600円+税
ページ数  184
判型 A5判

著者プロフィール

山田 佳代子(やまだ かよこ)

甲南女子大学文学部英米文学科卒業。住環境福祉コーディネーターとして住宅改修に携わったのが建築との出会いその後、町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミー卒業、輸入住宅に従事する工務店で設計プランナーとして経験を積み、二級建築士取得。現在はフリーの住宅設計プランナーとして独立、定期的なイギリス住宅の訪問がライフワークとなっている。著書に『図説 英国の住宅』(河出書房新書)などがある。
Instagramアカウント: kayoko.y0909