忍者は闘争ではなく、逃走のプロ
脱出に関する技術は、さまざまな忍術伝書で広く取り扱われています。
特に『万川集海』では、敵地における遁法が数多く伝えられていて、「先考術十ヶ条」では、第一に「事前に敵の城郭・陣屋などの様子をつぶさに調べあげ、術や方便を工夫して潜入口や退出口などを練り上げる事」としています。
ほかにも「隠形術五カ条」の教えでは、撒菱(まきびし)を地面に撒いて撤退したり、身を隠して敵をやり過ごしたりする術なども記されています。
追手から逃れるために、忍者がさまざまな工夫をしていたことがよく分かります。
まず逃げることを考える癖をつける
初めて訪れる建物に入るときは、必ず逃げる算段(さんだん)を立てておきましょう。
ホテル、百貨店、オフィスビルなどの大きな建物の中では、避難経路を確認したり、入口に戻るための道を覚えておいたりするのです。
飲食店に入ったときも、スムーズに出口へ向かえるルートを頭の中でシミュレーションしておきます。
もし、おかしな人が入店してきても、さりげなくパッと別のお店に移ることができれば、トラブルを未然に回避できます。
また、近年は電車の中でテロ行為が行われる事件も発生しました。
危険を感じたら素早く安全な車両に移動したり、手持ち道具で身を守る心構えをしておいたりするだけでも、いざという時の初期対応に違いが出ます。
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定価 1,500円+税
ページ数 128
判型 A5判
発行年月 2023/03
ISBN 9784767830865※ポイント還元100%! (2024年9月30日まで)
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解説
習志野青龍窟(ならしの・せいりゅうくつ)
忍道家。武術家。松聲館技法研究員。港区防災アドバイザー。各種イベントや国内外のメディアに多数出演。映画の忍術指導も担当。山修行や断食の実践、稽古、国際忍者学会への参加など精力的に活動している。今に役立つ温故知新の心身運用法を指導している。小学校や大学などでセミナーや教室なども開催している。
X(旧Twitter)アカウント:習志野青龍窟 忍道家(@3618Tekubi)
YouTube:忍道家 習志野修行チャンネル
イラスト
齊藤きよし(さいとう・きよし)
忍術研究家。デザイナー。イラストレーター。パルクール講師。桑沢デザイン研究所卒業後、某自動車企業勤務を経て独立し、現在は「Shinobi Design Project」を立ち上げ活動。自ら古典的な忍術を研究・修行・実践し、現代の仕事や暮らしに活かせる生きた忍術を探求。学校等で忍術を活かした体験・実践的な情報教育の指導も行う。著書に『図解 万川集海』。「SDP STORE」にて忍器・忍具の製作と販売も行う。
X(旧Twitter)アカウント:きよし|デザインと忍者とパルクール(@Kiyoshi_Design)
公式ホームページ:Shinobi Design Project