【2024年度完全保存版】全国各地のすごいエコハウス10選。新築・リノベ・集合住宅・民宿の最新事例を解説

脱炭素時代の住まいを探る実例コンテスト「日本エコハウス大賞」。2024年7月17日(水)に第8回日本エコハウス大賞の設計審査を行いました。ここでは、約150作品の中から選ばれたノミネート10作品を紹介します。9月24日(火)の最終プレゼン審査会で、グランプリが決定します。

全国各地のすごいエコハウスが勢ぞろい!

8回日本エコハウス大賞では、約150作品から新築部門4作品、リノベーション部門2作品、モデルハウス・自邸部門2作品、集合住宅・小規模施設部門2作品を選出しました。

ここでは、各作品の見どころを紹介します。

Contents

【新築部門】
No.1:中土居宏紀建築研究所「光互の住居」
No.2:大幸綜合建設(DAIKOstyle)「庭とつながる縁側のある家」
No.3:サンハウス「常陸大宮の平屋」
No.4:Raphael設計「景色にトキメキが生まれる夫婦の趣味室がある家」

【リノベーション部門】
No.5:Reborn「災害に屈しないと宣言した親子のリノベーション」
No.6:髙橋勝建築設計事務所「黒門通の住宅」

【モデルハウス・自邸部門】
No.7:大庄「緑道を望む住まい(リノベーション)」
No.8:タキナミ+鎌倉寿建築設計室「タキナミ100周年モデル/福井パッシブハウス」

【集合住宅・小規模施設部門】
No.9:楽園住宅+鎌倉寿建築設計室「健康に暮らせる快適な社員寮/岩村パッシブハウス」
No.10:ゆめゆめ+菅沼建築設計「独立型発電のエコ民泊『富津ゆめゆめハウス』」

9月24日(火)の最終プレゼン審査会の詳細はこちら https://t.livepocket.jp/e/ov012

チケットを申し込むと、ノミネート10作品に加え、協賛企業賞7作品の建物概要と平面図・断面図、屋根(天井)・壁・床(基礎)の断熱仕様、空調・給湯設備などを記載した全39頁のPDF誌面をプレゼント!資料性抜群の内容です。

新築部門

No.1:中土居宏紀建築研究所+中土居工務店「光互の住居」

3.6mの天井高に巨大窓!ほぼ外部のような半屋外空間をもった高性能平屋/

老後の生活を見据えた平屋への建替え計画。

既存の植栽を保存・整備しながら住まいと庭の関係を再構築した。

南西面に大きな開口部を設け、隣の家や公園からの視線を遮りつつ、日射を効果的に採り入れられる天井高3.6mの半外部空間を実現。この空間はアプローチからつながる玄関ポーチと、リビングのインナーテラスを兼ね引き込み度で採光や通風を調整できる。

間取りはリビングと多目的室に連続性と回遊性をもたせたことで、どの部屋からも公園や庭の式の風景を楽しめる。


高い外皮性能と耐震性能を備え、太陽光パネルと蓄電池も搭載したZEH+を取得しつつ、外部環境に呼応したおおらかな住まいを目指した。

三澤文子さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C-_ynoHPCl0/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/C_AU8jGO_eD/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

No.2:大幸綜合建設(DAIKOstyle)「庭とつながる縁側のある家」

\敷地が狭くても高性能化で乗り切った! 29坪の庭付きコンパクト住宅/

景観法や風致地区の制約がある奈良市西大寺での計画。

最大延床面積は29坪のため、無駄のない設計が求められた。

玄関ホールや廊下を省き、浴室や洗面は2階に配置。

吹抜けで上下階がつながる高断熱住宅の特性を生かした間取りとした。

コンパクトながら2階の窓からの光を1階に届ける吹抜けやヌック、階段の踊場、スタディコーナーなど、小さな居場所をちりばめている。

周辺地域に多く残る町家や古民家の外観を意識し、平入りの屋根、広い下屋根、格子を設けた。

内装には吉野杉のフローリングやラワンを使用し、地元の資源を活用。

リビングと庭をつなぐ濡れ縁を設け、子どもたちが庭で遊ぶ姿を縁側や食卓から眺められる。

 伊礼智さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_C5GVfhowk/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

 No.3:サンハウス「常陸大宮の平屋」

\地域工務店のスタンダードはここまで凄い! 地域に馴染む究極の機能美とは?/

茨城県常陸大宮市に建つ平屋。

自然豊かな半面、夏は36℃、冬は−9℃と、厳しい気候条件とも向かい合う。

 軒のある切妻屋根、長方形のシンプルな間取り、柿渋塗装を施したスギ板張りの外壁など、地域になじむよう簡素で素朴な美しさを心がけた。

内部の空間は緩やかにつながる一方、リビング、セカンドリビング、寝室の傍らにある畳コーナーなど、さまざまな居場所を設置。

食卓を囲むのは畳敷きのリビングだ。

そこからは障子を介して、建物に近接して植えた落葉樹の陰影も楽しめる。

また、セカンドリビングの床を低くすることで、大きな軒下空間を外部土間としている。

内装材に国産材を設えて落ち着いた空間とした。

佐藤実さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_Fd42TtELi/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

No.4Raphael設計「景色にトキメキが生まれる夫婦の趣味室がある家」

\日射遮蔽を無視!? パッシブ設計の常識を覆す驚きの超断熱住宅/

設計のポイントは、「真冬の氷点下の朝に無暖房で1518℃を実現する」と「夏期は住まい手がエアコンの設定温度によって絶対湿度を操作できる」の2点。

付加断熱を施し、深夜0時から翌朝までの保温に注力した。

冷房期にはエアコン設定温度26℃で絶対湿度11gkg台になるような空調計画をした。

 

施主から「カーテンは利用したくない」という要望があったため、日射遮蔽は望めなかった。

そこで、南北に長い建物とし、日射の影響を受けにくい壁面を増やした。

 

暖房期の対策として少ない窓から日射を得やすい2LDKとした。

夏は、冷房吹出口を2LDKに設置したため、日射の影響に左右されずに快適に過ごせる。

佐藤実さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_ICt6qBHdD/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

リノベーション部門

No.5Reborn「災害に屈しないと宣言した親子のリノベーション」

\超高性能な平屋に減築! 床上浸水の被害を受けた築47年の家をどう最適化したのか!?/

2019年の台風19号で、床上浸水の被害を受けた築47年の家の再生。

減築して平屋化し、耐震性向上・高断熱化を行うことで、住み心地のよい住まいを追求した。

いつ来てもおかしくない水害にも対応できるよう、1階床高をこれまでより400㎜上げている。

リノベーションでは、建物をスケルトンにして、充填断熱と付加断熱を施し、断熱等級7まで高断熱化した。また、夏期の日射遮蔽は適度な長さの庇を設け、南面にも遮熱ガラスを採用し、経済的かつ手間のかからない手法にした。

いずれ訪れる高齢期を見据え、日射遮蔽に要する手間と労力を省くため、東西の窓は最小化したうえで、全方位の開口部に遮熱ガラスを選定した。

清水一人さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_KnfWvhb6Q/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/C_KoC6VtLk8/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

No.6:髙橋勝建築設計事務所「機能性と効率のリノベーション 黒門通の住宅」

\京町家が二世帯住宅に大変身!伝統と最新エコ技術の融合は見どころ満載/

京都市黒門通、世代をまたいで住み継がれる二世帯住宅への京町家の改修である。

 省エネルギーの観点では、まず、輸送エネルギーを削減するため、地域木材・地域人材を採用。また、解体エネルギーの削減として、既存基礎・既存外壁を有効活用した。さらに、工事規模縮小により工事費の縮減も図っている。ランニングエネルギーの削減としては断熱改修を実施。


失われていた庭をよみがえらせ、光・風・緑を取り入れる計画で豊かな生活空間を整え、換気エネルギーの縮減にも寄与している。地元大工によって、維持管理され地域の豊かな風景の一部として受け継がれることを期待している。

三澤文子さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_NMWEftsj0/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/C_NM5T6PE-o/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

モデルハウス・自邸部門

No.7:大庄「緑道を望む住まい」

\築58年の家が新築を超える!奥行きを巧みに利用した自邸エコリノベ/

市街地の築58年の住宅を良質なストックにすることを設計方針とした。

この建物の魅力は、経年美化した構造材、立地の利便性、緑豊かな周辺環境。それらと性能向上をかけ合わせれば、既存住宅リノベーションが新築以上の選択肢になり得ることを伝える場所にしたいと考え、物件選定・購入および設計を行った。

改修では、南西側からは緑道の木々を遠景に、敷地内のモミジの木の景色を楽しめる2階リビングとし、断熱施工と日射取得型の窓を採用。

食卓から眺める景色は、間口が2.5間とコンパクトな建物形状ながらも、広く感じられる主空間とした。

南西のメイン開口にはスクリーンを設置し、日射遮蔽の策も講じている。

伊礼智さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_PxIQGsEyN/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

No.8:タキナミ+鎌倉寿建築設計室「タキナミ100周年モデル 福井パッシブハウス」

\構造区画でカスタムできる規格型パッシブハウスは普及なるか!?/

創業100周年にあたり、2050年を見据えたパッシブハウス基準のモデルハウス。

脱炭素時代の規格住宅の提案として、長く使えるフレキシブル性のある建築とした。

外観は日本の田園風景に溶け込むような、シンプルで軒の出の深い切妻屋根とスギ板の外壁で構成している。

3×4mの長方形の構造区画グリッドを6つ組み合わせることにより、シンプルに構成されている。敷地条件に合わせて、南入り・西入り・東入りの間口でも、6つのグリッドの組み合わせを変えることで性能レベルが変わらない住宅を提供できる。

空調は換気・冷暖房・除湿がオールインワンでまかなえる全熱交換型第1種換気を採用。

清水一人さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_SV4DWBYh3/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

集合住宅・小規模施設部門

No.9:鎌倉寿建築設計室 + 楽園住宅「健康に暮らせる快適な社員寮 岩村パッシブハウス」

\超エコな690m²の共同住宅!工務店が挑む大型パネル工法の木造施設/

外国人実習生のための社員寮である。

将来は家族向けの共同住宅や事務所などへの用途変更に対応できる設計とした。

カーボンニュートラルを見据えて木造を選択。

パッシブハウス基準を満たすことで高い省エネ性能を実現した。使用木材の68%が地元産材で、木材輸送エネルギー削減と地産地消を実現している。


また、新しい試みとして、地域の東濃桧を使った在来木造軸組構法(金物工法)を木造大型パネルで施工した。建築業界の課題である工期短縮や品質向上のほか、大工の高齢化・人手不足問題への1つの解答でもある。上棟に合わせて「大型パネル施工見学会・セミナー」を開催。次世代の工法を広める活動にも挑戦した。

前真之さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_U6tNhCV78/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/C_U7NcNJTsW/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

No.10:ゆめゆめ+水田和弘+菅沼建築設計「独立型発電のエコ民泊 富津ゆめゆめハウス

\極小住宅の革命!オフグリッド×パッシブ設計で実現した驚異のエコ民宿/

名作「吹き抜けのある最小限住居」(設計:増沢 洵/1952)を源流とした9坪ハウスを高断熱・高気密にしてパッシブハウス化した民泊施設である。

持続可能で安心・快適・自由な暮らしをテーマに、熱効率の良い極小の立方体形状にこだわっている。

屋根一体型太陽光パネルと蓄電池を組み合わせて、エネルギー消費を最小限に抑えた自給自足の発電ライフを実現。周辺の自然環境に呼応する電線のないオフグリッドシステムも特徴だ。

家主不在型の民泊施設とすることで家主は多拠点生活も実現できる。

民泊の利用者は、「富津ゆめゆめハウス」での体験を通じて持続可能で自由な、新たな暮らしのヒントを得ることができる。

前真之さんの講評はこちら

https://www.instagram.com/reel/C_XffX2sX-5/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

https://www.instagram.com/reel/C_XgA54KHX1/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

10作品のプレゼンテーション&審査員による質疑応答をオンラインで配信!

2024年9月24日(火)12時から、10作品のプレゼンテーションと審査員による質疑応答をオンラインで配信します。当日は、伊礼智、前真之、三澤文子、佐藤実、清水一人、大島芳彦、蒔田智則、斎藤健一郎によるディスカッションも。6時間いつでも出入り自由。アーカイブ配信あり!エコハウスを手がける人は必聴のイベントです。

9月24日(火)の最終プレゼン審査会の詳細はこちら https://t.livepocket.jp/e/ov012

チケットを申し込むと、10作品に加え、協賛所為7作品の概要と平面図・断面図、屋根(天井)・壁・床(基礎)の断熱仕様などが記載された全39頁のPDF誌面をもらえます!資料性抜群の内容です。

第8回日本エコハウス大賞 グランプリ大予測をライブ配信!

2024年9月12日㈭19:00よりオンラインにて、歴代日本エコハウス大賞受賞者の相模稔(オーガニックスタジオ新潟)と、関尾英隆(あすなろ建築工房)の2人が第8回日本エコハウス大賞のグランプリはどの作品になるか大予想します!!!有益情報満載なのに大爆笑間違いなし!? ビルダーズNo.58の誌面とお酒を片手にご参加ください。