チラ見せ!外装材の基礎知識
外装材キホンのキ①木材
意匠や雨仕舞いを考慮して木材の張り方を選択する
木材の張り方は主に、縦張り・横張りの2種類。板の長手方向を縦にして張る縦張りは、水切れがよくメンテナンス性が高い点が利点。板材の定尺長さ(3,000~4,000㎜)以下の外壁高さであれば、見栄えもすっきり納まり、雨仕舞いも問題が少ないです。下地は、透湿防水シートの上に450㎜ピッチで横胴縁を入れ、板を釘などで打ち付けていくのが基本です。
対して横張りは、板の長手を横方向にして少しずつ重ねて張る方法で、下見板張りとも呼ばれます。継目の木端から水が入りやすいため、雨仕舞いには注意が必要です。継目位置に押し縁をかぶせるか、水切れを考慮した納まりとする必要があります。
外装材キホンのキ②ALC
縦壁ロッキング工法
ALC板を縦方向に張るときは、パネルの上下を躯体に固定します。地震や風などによって生じる躯体の変形に対して、ALC板が1 枚ごとに微少回転して面内方向に追従するような施工方法を縦壁ロッキング工法といいます。
横壁アンカー工法
ALC板を横方向に張るときは、柱または間柱に短辺を固定する。地震や風などによって生じる躯体の変形に対して、上下段のALC板がそれぞれ水平方向にずれることで追従するような施工方法を、横壁アンカー工法といいます。縦壁ロッキング工法・横壁アンカー工法のどちらを選択するかは、意匠や風圧力によって決めます。
外装材キホンのキ③タイル
目地・寸法をマスターしよう
タイルは、1つずつに形状の違いや多少のひずみがあります。タイルの目地には、それらのひずみや寸法の違いを調整する役割があります。目地幅は内装用か外装用か、あるいは床用か壁用かでも異なります。
※6タイルをまたいで張るとタイルの接着面が足りず剥離します。コンクリート躯体とタイルの動きが違うので必ずシーリング処理を行いましょう。亀裂誘発目地をまたいでタイルを張ると、割れるリスクが高まるので注意しましょう
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ページ数 134
判型 B5判
発行年月 2023/09
ISBN 4910034291038