建築知識2025年4月号の特集は、「ホストクラブからパンダのもり、消防署まで 建物種類ごと間取り図鑑」です。オフィスや博物館、動物園、結婚式場、葬儀場、サウナ、お化け屋敷、マグロ漁船などなど、バラエティー豊かな建物を立体イラストで徹底解剖しています。
ここでは、建物に隠された間取りのヒミツを、少しだけご紹介します。
小学校の普通教室の広さは「約40畳」
小学校は、普通教室、特別教室、図書室、準備室などで基本的に構成されています。そんな普通教室の広さは、約40畳(本誌掲載事例では、63㎡~68㎡)。

「板橋区立紅梅小学校」(本誌34ページ、イラスト:齋藤玲香)
2021年に可決された改正義務教育標準法により、1クラスの上限は35人。つまり、単純計算だと、児童1人当たり1畳くらいの広さが確保されていることになります。
ちなみに、近年、黒板にはプロジェクターが設置され、黒板は上下可動式のものを採用していることも多く、使う人の身長に合わせて調整ができるようになっています。
※ なお本特集では、各空間の広さの目安となるように、面積の単位に「畳」を一部採用しています。(1畳の広さは1.62㎡として計算。)
博物館の収蔵庫には前室がある
大量の資料を保管する博物館の収蔵庫には、入口の前に小さな部屋(前室)が設けられる場合も。この前室では、収蔵庫に保管する前準備を行います。たとえば、巻物などをテーブルに広げたり、壁から吊り下げたりして中身のチェックやメンテナンスを行うのです。

「松本市立博物館」(本誌28ページ、イラスト:大島弓枝)
ちなみに、資料の搬出入は盗難防止などの観点から、一般の人が入れないセキュリティエリア内で動線を完結させています。搬出入動線や展示室・収蔵庫には、資料を守るための工夫も施されています。
漁船の通路幅は安全性を考慮して狭め
揺れでバランスを崩した際に両手を壁に付いて踏ん張れるよう、漁船の通路幅は必要最低限になっています。本誌掲載事例では700㎜(船員室の前は800㎜程度)。また、けがの要因になり得るものをできるだけなくすため、船員室のドアの取っ手は扉面と同面(同一平面)のすっきりとしたものを採用しています。

「第一昭福丸」(本誌88ページ、イラスト:西太一)
ちなみに、本誌68ページで紹介しているお化け屋敷では、建築基準法施行令119条に基づき、通路幅は基本1,200㎜としています。部分的に1,200㎜よりも広いところを設けたり、曲がり角を点在させたりすることで、ドキドキ感を演出しています。
特集ではこのほかにも、繁殖まで見据えたパンダ舎・展示場の裏側や、夜を盛り上げるDJブースやシャンパンタワーの設計ポイント、血液を安全かつ衛生的に管理するための献血ルームの動線計画、棺の搬出入を考慮した葬儀場の通路・エレベータの寸法計画など、魅力的な「間取り」を幅広くたっぷりとご紹介しています。
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定価 1,800円+税
ページ数 142
判型 B5判
発行年月日 2025/03/19
ISBN 4910034290451