「建築知識2026年3月号は「断熱大全」特集
あなたの家が暑くなる/寒くなる理由、答えられますか?
冬は窓と壁から多くの熱が逃げる
熱は絶えず建築物の内外を行き来しており、「熱損失」と「熱取得」が発生しています。
これは東京都の南向き木造住宅における「熱損失」と「熱取得」のシミュレーション結果をまとめたものです。
外気温度が低い冬期は、窓からの貫流(熱が移動すること)によって、建物の熱が最も多く奪われていることがわかります。壁や屋根を通じた熱損失も大きな割合を占めています。
つまり、窓と壁の断熱性能が低いと、室内の熱がどんどん外へ逃げてしまうということです。
窓をLow-E複層ガラスにしたり、断熱材を厚くしたりして、断熱性能を高めることが非常に重要です。
換気でも熱が逃げて温度が下がる
3番目に多くの熱が逃げている「換気」についてです。
換気量は法令で義務付けられているため、「冷気を入れないために換気をしない」という選択はできません。給気口の位置を工夫して冷たい空気を直接感じにくくするか、「全熱交換器」(給/排気の熱を回収して排/給気の温度を調整する機器)を用いて、取り入れる空気の温度を調整することが有効です。

すきま風の熱損失もあなどれない
4番目に多い「漏気」とは、いわゆる「すきま風」のことです。気密性能が低いと、室内の暖気が壁や窓の隙間から外へ逃げてしまいます。さらに、壁内に気流が発生して断熱材の性能が十分に発揮されなくなるため、断熱性能を高めても効果が薄れてしまいます。


イラスト:德丸ゆう
気密性能は施工精度に大きく左右されるため、実績のある施工会社を選び、気密測定などで性能を確認することが重要です。
太陽の熱をいかに取り込むかが温かい家のカギ
一方、冬は日差しが入ることで室内が暖まる「熱取得」も期待できます。
壁からの熱取得は少なく、主に窓から差し込む日射が寄与します。つまり、冬に暖かく過ごすためには、いかに窓から日差しを取り込むかが重要です。

冬の日差しは低い位置から差し込むため、後述する夏の日射遮蔽策(すだれなど)を取り外したり、季節によって日射取得量を調整できる製品を使ったりすることで、夏に遮っていた日差しを取り入れる工夫が必要です。
冬は人体や家電などからの内部発熱もあるものの、日射熱と内部発熱を合わせても、窓や壁から逃げる熱(熱損失)の方が上回ります。
室温を快適な範囲に保つには、不足する熱(暖房熱負荷)を暖房設備で補う必要があります。
夏は日射取得を減らすことが大切
夏は冬とは逆に、日射取得や内部発熱による「熱取得」が「熱損失」を上回ります。特に日射による熱取得が大きく、住まいの暑さの主な原因となります。

南面の窓では、日中の太陽高度が高いため、軒や庇によって直射日光を効果的に遮ることができます。
ただし、これで防げるのは「高い高度からの直射日光」に限られます。実際には、大気や雲で拡散されて空全体から降り注ぐ「天空日射」や、朝夕に東西面の窓から差し込む「低い高度からの直射日光」も大きな影響を持ちます。

これらを防ぐには、簾(すだれ)や葦簀(よしず)、スクリーンシェードなどを用いて、窓の外側で面として日差しを遮ることが重要です。
なお、カーテンなど室内側で遮るよりも、屋外側で遮る方が高い効果が得られます。
「建築知識」2026年3月号では、断熱性能はなぜ必要なの?どのくらいの断熱等級が必要なの?といった疑問に対して、人が暑さ/寒さを感じるメカニズムや、熱の移動のメカニズムから丁寧に解説しています。
さらに、エアコンってどう選べばいいの?太陽光発電って結局お得なの?といった設備の省エネ・創エネに関する疑問も解決!
日本に暮らす全ての人に読んでほしい特集です…!
目次はこちら!
1章 家の今と温熱環境のこれから
まずは確認! 「省エネ基準」って何?
気候変動で住宅はどう変わる?
快適な温熱環境をつくるには
2章 断熱手法をマスターする
断熱性能はなぜ必要? どう高める?
家が寒く/暑くなるメカニズム
熱橋を防ぎ断熱ラインを確保する
断熱性能はどのレベルを目指す?
要チェック! 断熱の基本用語
部位ごとに断熱工法を考える
断熱材の種類ごとの特性を学ぼう
断熱工事は結露の発生防止がキモ
断熱等級6超をクリアするには?
開口部の仕様と断熱効果
3章 省エネ・創エネ手法を徹底解剖
省エネ化のポイントを押さえよう!
冷暖房の選び方・使い方で省エネに
第3種換気と第1種換気のポイント
給湯器の種類と選び方を知る
照明は配置の工夫で省エネに
太陽光発電の設備と節電効果
非住宅の省エネ基準も押さえる
4章 実例に学ぶ!断熱・省エネの最適解
建築計画で快適な温熱環境を実現する
断熱性能を確保し、外ともつながる
敷地を理解し放射熱・蓄熱を活用する
日射遮蔽と眺望は両立できる
間取りの工夫で室内に涼風を導く
自然の力を利用し、温熱環境を整える
リノベーションで温熱環境を改善する
マンションリノベは住戸に応じて計画
5章 法規と補助金の最新知識
建築基準法の改正点を押さえよう
住宅の省エネ化で受けられる補助金
COLUMN
室内の温度ムラをなくして快適に
ZEHの定義を押さえる
発泡プラスチック系/繊維系断熱材は併用に注意
窓の断熱性能の求め方
特に注意したい! 子どもと高齢者の温熱環境
ペットにとっての最適な温熱環境と注意点
温暖化の影響は排水にも!?
空気の動きを理解して「通風」で涼感を得る
住み手に教えたい! 家電選びでも省エネに
太陽光発電のメーカーはどう選ぶ?
本体1,800円+税
B5判 138ページ
【新生活応援】 建築知識・建築知識ビルダーズ 定期購読料割引キャンペーン!定期購読料が最大30%OFF




















