広がりと奥行きのある空間をつくるため、L字形の平面の上に大きな折れ屋根を架けました。道路に面するL字の短辺は低い水平の棟とし、敷地奥に伸びるL字の長辺は斜めに高くなる棟としました。
室内に入ると、対角線上に走る棟木が視線を斜め奥へと導き、実際以上の奥行きを感じさせます。この屋根形状は、空間の方向性を分散させると同時に、周辺環境への圧迫感を抑え、隣家に影を落とさない形状となっています。庭に向かって大開口を設けた開放的な空間ですが、大屋根により外部からの視線や強い日射しを遮ることで、落ち着き感も与えています。
構造材には静岡県産のスギ材を多く使用。垂木(断面38×184mm)は455mmピッチであらわしにしました。大屋根にはスリットが設けられており、時間や季節に応じて異なる表情の光を軒下と室内に届けてくれます。また、スリット部分にはルーバー床の簡素なバルコニーを設けました。スリットから顔を出して、周辺の桜や緑、遠くの山々を望むことができる、遊び心のある住まいです。
間取り 控えめな外観とは対照的に開放的な内部空間

敷地中央にL字形平面の建物を配置し、南側道路に面して駐車場、北側に庭を設けた。玄関ポーチから隣家との隙間を抜けると庭が広がり、奥に行くほどほど外部の視線から守られた居場所となる。庭には小さな菜園があり、スイカや枝豆を収穫できる

















