黒い立はぜ葺きの屋根に見える太陽光発電
建築意匠の観点からは、屋根上の太陽光発電パネルは邪魔な存在でしかないでしょう。屋根一体型を採用したとしても、青みがかった発電パネルは丸見え。こうした問題を解消する製品が、2021年に創業したモノクロームが開発した「Roof -1」です。一見すると、立はぜ葺きのガルバリウム鋼板屋根にしか見えません。
デザイン性の高さは発売当初から注目を浴び、「MC -EN@Akiya Smart Village」をはじめ、メディアへの露出が多い建築作品や、オフグリッドハウス・トレーラーハウスなどで採用されています。その大きな理由は、ガルバリウム鋼板の色に合わせた特殊加工で発電部が黒くなっているから。
しかも、棟部・軒先などの詳細図を見ても、特殊な納まりはなく、輪郭も屋根そのもの。しかも、立はぜ葺きのモジュールに合わせて発電部が設計されているので、発電しない屋根部と組み合わせると、屋根そのもののように見えるのです。
採用を検討する際に気になるのが、発電を含めた製品の耐久性です。発電の出力保証は25年、ガルバリウム鋼板の塗膜保証(フッ素樹脂系塗装)は20年、穴あき保証は20年であり、いずれも申し分ありません。塩害が懸念されるガルバリウム鋼板自体の耐候性も高く、海岸から500mでも採用が可能[※1]。飛び火認定番号も取得しているので、防火地域・準防火地域でも安心して使えます。
※1 海岸から500m未満は10年保証(波の飛沫が直接かかる場合を除く)
カバー工法を含めて改修用途にも対応
「Roof-1」は、今後の需要増が期待できる屋根の改修にも対応。瓦屋根やガルバリウム鋼板に関しては屋根仕上げ葺き替え用途として、化粧スレートではカバー工法用途として採用できます[※2]。
※2 カバー工法対応は2024年4月から、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県で先行受付けを開始したのみ。その他の府県については応相談
施工は、建設業の許可を取得しているモノクローム建設や認定施工店が責任施工で行います。立はぜキャップを外せば、故障箇所の交換が可能であり、メンテナンス性も高いです。
「Roof-1」は、パワーコンディショナーやソフトウェア(専用アプリ)に加え、オプションで蓄電池や太陽光発電を利用した給湯器「おひさまエコキュート」[※3]を組み合わせて、建築に組み込みます。特にソフトウェアは、家の壁に美しく一体化したタッチパネル式のHEMS「Home -1」も選択可能です。
※3 モノクロームは2024年4月、ダイキン工業とともに、モノクロームが開発するエネルギーの発電システムおよびコントロールシステムと、ダイキン工業が開発する空調機器や「おひさまエコキュート」の接続および制御の連携を進める業務提携開始を発表
将来的には「Roof-1」に新色を追加するなど、美しい太陽光発電の屋根を追求するモノクローム。本社を構える横須賀市(神奈川県)は、「MC-EN@Akiya Smart Village」や「Akiya-E」(設計: 能作文徳建築設計事務所+studio mnm)といった建築を見学可能。ぜひ一度、訪ねてください。