いま、衣料の主流は既製服。一方で、オーダースーツは、特別な意味をもつ装いです。その体験の場となる空間には、上質さと特別感が求められます。1着1着に宿る品格をどう際立たせるのか。オーダースーツで名を馳せる麻布テーラーの「azabu tailor &C umeda」・(設計=吉里謙一/cmyk)では、入口からオーダーメイドというイメージを想起させるように、道具と技術を魅せる空間演出としました。
壁面に設けた木製額縁(オーダーフレーム)にスーツを収め、額縁背面のLEDテープライトが壁を柔らかく照らすことで、陰影と奥行きを生み出す。光とフレームが一体となり、空間に自然な視線の焦点をつくり出しています。
採用された額縁は、1800年代の終わりにアメリカ西海岸で創業した小さな額縁工房を発祥とするブランド、ラーソン・ジュールの製品である。同社は古典的な装飾額からモダンなフレームまで幅広く展開し、海外の美術館やギャラリーで用いられる多様な額装にも対応しています。
美術用途以外での採用事例も多いです。国内外の眼鏡店やアパレル&ジュエリーショップ、宿泊施設・商業施設など多様な空間でディスプレイツールとして活用され、ブランド表現を支えています。
額縁を内装に取り入れることは、空間に〝展示性〞という価値を加えます。しかも、オーダースーツのような長く愛される品質とデザインを備えたものの真価を、視覚的に強調できる意義は大きいといえるでしょう。
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azabu tailor & C umedaの記事は、建築知識2026年4月号「店舗のディテール大全」にも掲載されています。














