基礎断熱のメリットを知ろう!
木造住宅の断熱では大引間にグラスウールをはめ込む床断熱が一般的。しかし近年は基礎コンクリートの内側や外側に断熱材を施工し、床下空間も熱的に室内と同じ環境とする「基礎断熱」を採用することが増えてきています。
基礎断熱とすることで、熱容量の大きいコンクリート(基礎コンクリート)を蓄熱体として利用できるほか、床断熱よりも気密性が高い、寒冷地でも配管が凍りにくいなどのメリットがあります。
基礎外断熱の型枠打ち込み工法とは?
基礎断熱ではボード状の発泡プラスチック系断熱材であるEPSやXPS(スタイロフォームなど)を使用します。施工方法には、基礎コンクリート打設後に張り付ける「後張り工法」と、型枠の内側に断熱材を固定してからコンクリートを流し込む「型枠打ち込み工法」があります。
①外型枠を設置後、EPSを基礎外周に仮固定
②基礎底版部を打設後、内型枠を設置
③立上り部のコンクリートを打設し、型枠を外す
断熱材の種類を知ろう!
断熱材の種類は、繊維系・発泡プラスチック系・自然系に大別されます。最近はさまざま断熱材が開発・販売されており、同じ種類の断熱材でも断熱性能が異なる製品があることも。求める断熱性能と予算、納まり、施工性を考慮して断熱材を選ぼう。
木造壁断熱の基本納まり
繊維系断熱材は湿気で断熱性能が落ちるという弱点があるため、室内側の湿気を吸い込まないよう、防湿気密シートが必要。さらに、屋外へ湿気を逃がすための通気層も設けよう。ここでは、柱間に120㎜厚の高性能グラスウール(λ=0.038)を使用し。屋外側に18×45㎜の通気胴縁で通気層を設けています。
λとは熱伝導率[W/(m・K)]のことで、材料1㎥当たりの熱の伝わりやすさを表す値。値が小さいほど熱が伝わりにくいことを表します。断熱材を選ぶ際の指標の1つです。
木造以外の納まりもカバー!断熱の基本の納まりが分かります
構造や建物用途によって求められる断熱性能はさまざま。建築知識2022年9月号では、構造・部位ごとに断熱の施工手順・納まりを解説しています。熱橋対策や通気層・防湿層の設け方など、設計業務上知っておきたい断熱の基本から、最新の省エネ基準まで、断熱・気密に関するすべて網羅した、設計者必携の1冊です!
建築知識22/09 木造・S造・RC造「断熱・気密」最新版
定価 1,800円+税
ページ数 142
判型 B5判
発行年月 2022/08
ISBN 4910034290925