庭の観察やお手入れを「めんどくさい」と思う人には向いていないかも
植物は、生き物なので枯れてしまう可能性があります。
毎日でなくてもよいですが、日々植物を観察し、水やりなどのお世話をする必要があります。
ペットを飼うのと同じですね。
「水やりだけなら、スプリンクラー(自動灌水)をつければいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、水やりは、植物の変化を気にかけることも含んでいます。
たとえば、お庭の木にカミキリムシが付いていたとします。
カミキリムシは木を食い荒らしてしまうので、気づかずに放置しておくと、最悪の場合、木が枯死してしまいます。
ですが、日々の水やりで、植物の様子を定期的に観察しておけば、早期発見につながり、被害を最小限に抑えることができるでしょう。
このような、植物の観察やお手入れを億劫(おっくう)に感じる方は、せっかく庭をつくっても荒れるいっぽうになってしまうかもしれません。
なので、植栽を計画するときは「お世話のしやすさ」を意識するようにしてください。
お庭が広すぎたり、植物をたくさん植えすぎたりすると、お手入れが大変になります。
業者に管理を依頼しても良いですが、当然費用がかかりますし、日々のお手入れには来てくれません。
植栽を検討している方は、日常のなかでどれくらい植物のために手間と時間を割くことができそうか、少し考えてみることをお勧めします。
敷地環境に合った植物を植えよう
「敷地に植物を植えられそうなスペースがあるので、私の好きな○○を植えて下さい」というご依頼を時々いただきます。
しかし、植物にはそれぞれ適した生育環境があります。
必ずしも、思い通りの場所に、思い通りの植栽を施せるとは限らないのです。
日当たりを好む植物は日陰では育ちませんし、風通しが悪くジメジメした場所は病害虫が発生する可能性が高くなります。
せっかく植えた植栽を枯らしてしまうのは悲しいので、「計画地の環境には、どのような植物が適しているのか」や「そもそも植栽を計画している場所は、植物の生育に適しているのか」といったことをしっかり確認しておきましょう。
余談ですが、個人邸や店舗などで植桝(プランター)に樹木を植えている様子を見かけたとき、たまに植桝の底に水が抜ける孔がない場合があります。
水生植物などは別として、水はけの悪い環境では必ず根腐れをおこすので、植桝を選ぶ際は、排水処理が施されているものを使うようにしてください。
解説:荒木造園設計
イラスト:玉松葵(荒木造園設計)
ぜんぶ絵でわかる4植栽荒木造園設計 著
208ページ
A5版
定価2,200円