「建築知識」2024年10月号の特集テーマは「棚がなければ暮らしていけない Life Shelf」。表紙のイラストは「コレクター」というお題をもとに制作しました。
女の子がコレクションしているのは昭和家電。コレクション内容は、種類や大きさ・形がさまざまなのでイラストにしたときに単調になりすぎない、家電をセレクト。レトロでかわいらしい印象が好きなので、昭和家電にしました。実際の昭和家電のデザインをよく観察して、テレビ・扇風機・電話機などを描いています。
現代の家電との違いや、イラストを見てくださった方のお気に入りの家電を見つけて楽しんでいただけるとうれしいです!
私のお気に入りは、手前のテレビの上に乗っている黄色のパタパタ時計です。
[使用ツール:CLIP STUDIO PAINT]
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ポイント1 イラストの雰囲気に合わせて影の色を決める
「お菓子の家のインテリア」「レトロPOP商店街」と2号連続で明るい印象のイラストを描いていたので、ガラッと印象を変えるために、今回は夕方のシーンを描くことにしました。ノスタルジックな雰囲気を出したかったので、イラストの大部分に影が掛かるように西日が差し込む時間帯の部屋を描くことに。影がイラストの広い範囲を占めるため、色選びはとても重要。そのため、ラフの段階でさまざまな色を試しました。
普段なら描きたいシーンを撮った実際の写真(今回の場合は夕方の室内の写真)を参考にして影の色を決めることが多いのですが、今回は描きたい雰囲気に合わせて影の色を決めました。
3枚目の青緑色の影を気に入っていましたが、過去の表紙イラスト(4月号)の色味と被っていたので、今までの表紙とは印象が変わりそうな青色の影に決めました。
ポイント2 太陽光の差し込み位置を意識して影を塗る
最初に影になる部分全体に青い影を入れます。
太陽光は左上の窓から差し込んでいるので、それを意識しながら太陽光が当たっている場所以外に影を落とします。
家具の下や電子レンジの中など、影の中でもより光が届かない場所はさらに暗い色を重ねます。こうすることで、それぞれの物の立体感が増しました。
背景を描くとき、影の濃さは2~3段階に塗り分けると立体感を出せます。
ポイント3 テレビ画面を描く
テレビ画面は一度、平面的にそれぞれの番組の様子を描き、その後自由変形してそれぞれの画面にはめ込みます。
家電と同じように、テレビ番組の内容も昭和期ごろを参考にしました。
それぞれの画面にブラウン管風の加工も加えます。
ブラウン管風のテクスチャをイラストの上に2枚重ね、それぞれ上のレイヤーモードを「焼きこみカラー」、下のレイヤーモードを「加算発光」にすると、ブラウン管っぽい画面が出来上がりました。
それぞれのテレビ画面に合わせてイラストを自由変形させたら完成です。
\完成/
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TAOさんのイラストが表紙の「建築知識」2024年10月号は、本日9月20日(金)より発売。ぜひ書店やエクスナレッジストアで詳細をチェックしてみてください!
住宅・非住宅問わず多彩な物件を題材に、美しい棚づくりのテクニックを実例写真や図面とともに徹底解説。
棚の寸法や素材選び、アイテムを美しく飾るディスプレイの技、さらには食器や雑貨、家電のサイズや置き方まで、
日々の暮らしをもっと豊かにする棚づくりの真髄をお見せします。
隠す収納にさよならを告げ、空間を美しく引き立てる「Life Shelf」の世界へ。
明日から実践したくなるアイデアが詰まった1冊です!