コンパクトでもゆとりがあって暮らしやすい間取り!人気建築家・島田陽が手掛けた狭小住宅

現代では、昔の長屋暮らしのように居間を片付けて、そこに川の字で寝るような暮らし方はできません。
一方住宅地は細分化され、その面積は極小化の限界に近づきつつあります。
40㎡足らずの敷地に、家族4人のための住居をつくり上げることはできるのでしょうか?

40㎡の敷地でも工夫次第で心地のよい家はつくれる!

まず、建蔽率一杯の大きさの床を2層重ねて上階をリビング等に、下階を寝室等にすることを考えてみました。

しかし、それはかなり手狭で、ダイニングテーブルの置き場所を探すのに苦労するような案にしかならなさそう……。

そこで床を4つに分割してしまい、螺旋状に積み上げていくことにしました。

一番下に寝室とこども室、次にリビング、キッチン、上階には光が注ぐバスコートがあります。

 

緑の見えるひろびろリビング!

旗竿部分につくられた階段によって中2階から入る動線はぐるぐると上昇し屋上へと至り、階段を降りるとそれぞれの個室が並んでいます。

さらに中央のリビングからは、なんと隣の公園の緑が!窓は2階レベルなので、外からの視線を気にすることなく緑を楽しめます。

小さな家とは思えない、ひろびろとしたリビングが生まれました。

 

「はたらく窓」で空間を使い切る!

さらに敷地を使い切るために、キッチンには採光と収納を兼ねた出窓キャビネット、リビングには公園の緑を壁紙とするような出窓ベンチを取り付けています。

窓と収納、窓と家具を兼ねることで空間を有効活用しました。

タトアーキテクツ/島田陽 武蔵小山の住居

 

自由な住宅の設計

定価 2,400円+税

著者名 島田陽

頁数 168頁

判型 AB判

発行年月日 2024年10月15日

ISBN 97847678291

 

タトアーキテクツ/島田陽

1972年神戸生まれ。京都市立芸術大学教授。
’95年に京都市立芸術大学環境デザイン科卒業後、’97年に同大学大学院修了。1997年にタトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所設立した。主な賞歴に「六甲の住居」でLIXILデザインコンテスト2012金賞、第29回吉岡賞受賞。「石切の住居」で日本建築設計学会賞大賞(2016)。「ハミルトンの住居」でNational Commendation,AIA  National  Architecture  Awards受賞。「宮本町の住居」でDezeen  Awards 2018 House  of  the  Year受賞など受賞多数