
西洋っぽさ、日本っぽさの特徴として挙げた「格子模様」と「アミダ模様」。
これは何となくで描き分けをしている方も多いかと思いますが、
なぜこの形になるか、少し深堀ってみると、より「西洋っぽさ」「日本っぽさ」をつかめるはずです。

「っぽい!」ポイント【1】
木の格子模様、石のアミダ模様
素材としての木は「軽く弾力があり、長い形で使いやすい」ため、交差して組んだ「格子状」が安定した形になるのに対し、
石は「重く弾力性がなく、塊で使いやすい」ため、交互の「アミダ状」に積むのが安定した形になります。

そのため、木の建築が多い日本では格子模様が、石の建築が多い西洋ではアミダ模様が「っぽい」特徴的な形になるわけです。

「っぽい!」ポイント【2】
レンガ、ブロック塀の積み方
レンガの積み方は、地域ごとに特色があります。

一方で、私たちは普段「石(コンクリート)が格子模様に積まれた形」をよく目にします。
実はこれはやや現代的な形なのです。

「っぽい!」ポイント【3】
道路などの石畳
ヨーロッパの石畳を見ると、石が格子状、放射状に並んでいたり、時には斜めになっているものも見かけます。
これはおそらく、進行方向に石どうしの溝が格子状に並ぶと、車輪が食い込みやすくなるからと考えられます。

「っぽい!」ポイント【4】
色々な壁
漆喰
城や民家などの表面の白は、石灰によるもので、日本の城や蔵、民家の白い壁部分も石灰の白です。
石灰は漆喰の語源ともいわれ、混ぜ込む事によって防火性、耐久性などが上がります。
実際には、ヨーロッパでも白以外の漆喰は多く使われますが、地中海の建築など、白が基調になっている地域もあります。

レンガ
赤茶色が特徴的な「焼きレンガ」は、ヨーロッパで広く使われ、特にドイツが有名です。
レンガは地域ごとに伝統的な組み方があります。
土色の「日干しレンガ」は、焼きレンガに比べて作るコストが低く、雨が少ない乾燥地帯でよく使われます。

板葺き
屋根のように、金属などで表面をタイル状に葺いた形の壁もあります。
金属は長持ちするものの高価で、逆に木などは安い分耐久性が低いので、
実際に使われる建物は少ないですが、「ファンタジーに出てくる家の壁」としてたびたび描かれる模様です。

「っぽく描ける!ファンタジー背景講座」、まずは基本ということで「民家編」が長く続きましたが、ひとまず今回までで一区切り。
これからは各種建物にスポットを当てた解説をしていきます。
次回は「お屋敷編」です。お楽しみに。
「っぽく」描ける!ファンタジー背景講座 過去回
著者プロフィール
犬丸
大手ゲーム会社に十年ほどグラフィッカーとして勤務。
退職後、フリーとして漫画やハウツー本などを制作(他、パース講師、ゲーム制作協力、背景アシスタント、シナリオ制作など)。
趣味で古代〜近代くらいの建築(主に西洋)の書籍を数百冊ほど収集している。
著書に『かんたん! マンガパース術』『かんたん! クリップスタジオ漫画術』(いずれも新書館)など。
X/@kuroinusha
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